各国の一流ブランドが岡山のデニム生地をこぞって採用していることは有名だが、デニムに限らずJAPAN生地は間違いなく世界トップクラスのクオリティだ。その理由は、驚くほど昔ながらの伝統的製法がいまだ継承されていること、アーカイブを綿密に研究し、それを再現する探求力、今までにない生地を生み出す企画力が共存しているから。今、改めてJAPAN生地の魅力を再確認してみよう。
旧式力織機が再現するヴィンテージの品質
代表モデルのLot-10012003年にリニューアルしたフラッグシップモデル。第二次大戦後のデニムをモチーフとしたテーパードラインが特徴のオーセンティックな一本。2万2000円(ウエアハウス 東京店)WAREHOUSE【ウエアハウス】/大阪
1995年創業。「ヴィンテージの忠実な復刻」をテーマとし、糸一本から仕上げの洗い方に至るまで研究を重ねている。ジーンズのほかTシャツやカジュアルシャツもラインナップ。
非効率の果てに生まれる古きよき味わい
ヴィンテージと見紛うほどのオーラある生地。その裏には驚くべき情熱がある。ウエアハウスのデニムは、ヴィンテージ生地を解体し、原料の綿から紡績まで研究する徹底ぶり。それを織り上げる力織機も、「G3」と呼ばれる約半世紀も前のものだ。旧式ゆえ一時間に5mほどしか織れず、しかも糸本来のムラがそのまま生地に出る不均一な表情になる。しかしこれこそ、ヴィンテージさながらの”味”を再現する要なのだ。非効率をいとわず、古きよき時代へのオマージュを込めて作られるジーンズ。ロマンたっぷりな一本だ。
[MEN’S EX 2017年11月号の記事を再構成]
撮影/ケビン・チャン スタイリング/武内雅英(CODE) 取材・文/池田保行(04)
※表示価格は税抜き