マヌアーレ・バイ・ワイヤ・システムが、新時代のマニュアル体験を実現
フェラーリは2026年7月、限定生産モデル「12チリンドリ・マヌアーレ(12Cilindri Manuale)」を発表した。V12グランドツアラー「12Cilindri」をベースに、新開発の“6速マニュアル・トランスミッション”を搭載したスペシャルシリーズである。最新の電子制御技術とアナログな操作感を融合し、ドライバーとクルマの一体感を極限まで高めたモデルとして開発された。生産台数は世界限定1499台となる。
ベースとなる12チリンドリは、1950〜60年代のフェラーリGTを現代的に再解釈したフロントミッドシップ2シーターだ。自然吸気6.5リッターV型12気筒エンジンは最高出力830CVを発生し、最高回転数9500rpmまで吹け上がる。0→100km/h加速2.9秒、最高速度340km/h超という圧倒的な性能を誇りながら、日常域での扱いやすさも追求した現代のV12グランドツアラーとして位置付けられている。
最大の特徴は、新たに開発された「マヌアーレ・バイ・ワイヤ・システム」だ。従来の8速デュアルクラッチトランスミッションをベースに、専用設計のシフトレバーや3ペダルレイアウト、新開発クラッチ機構を組み合わせることで、“往年のフェラーリが備えていた”機械的な操作感を再現。フェラーリ伝統のドライビングと最先端テクノロジーを融合させることで、ドライバーと車両との意思疎通をさらにダイレクトなものとすることを目指したという。シフトゲートやリバースレバーなども備え、物理的なフィードバックを重視しながら、電子制御による高精度な変速を実現している。また、状況に応じてオートマチックモードへ切り替えることも可能で、現代の使い勝手も確保した。
デザインは、通常モデルの流麗なフォルムを継承しながら、365 GTB4へのオマージュを示す専用ストライプや、6速マニュアル専用トリムなどを採用。さらに、テーラーメイドによる豊富なパーソナライゼーションが用意され、専用アルミプレートやロゴ、25種類のエクステリアカラーなど、限定車ならではの特別感を演出する。
フェラーリが近年追求してきたのは、速さだけではなく、ドライバーの感性に訴えかける運転体験だ。このモデルは、その思想を最も純粋な形で表現したモデルといえる。最新技術によってアナログな操作感を再構築し、自然吸気V12とマニュアルトランスミッションの組み合わせを未来へ受け継ぐ、フェラーリらしい一台に仕上げられている。





