ファッションとしてはもちろん、確かな品質も備えた本格眼鏡。鯖江の老舗から世界の有名メゾンまで圧巻の1000本以上の最新フレームを1冊に網羅した『本格眼鏡大全 2024』が発売中。その中身を一部ピックアップしてご紹介する。

Jacques Durand（ジャックデュラン）

クラシックとモダンを兼ね備えた独自のフォルム

かつてアラン ミクリの立ち上げに携わり、スタルク アイズのプロダクトマネージャーを務めた故・ジャック・デュラン氏が、2010年に立ち上げたのがジャックデュランだ。創業地はフランスだが、現在は本拠地をイタリアに移し、自社工場を構えてデザインから製造までを行っている。ジャック氏のDNAは新たなデザインチームに受け継がれており、その大胆なデザインにファンが急増中だ。

特徴のひとつはボリューム感のあるアセテート生地を使用し、太めのブリッジを配した独特の意匠。一見、ヴィンテージ・スタイルに見えるが、エッジを効かせたカットや独自のヘアライン加工によって、モダンな雰囲気に。素材には、しなやかな強度と美しい発色が魅力のイタリア・マツケリ社製の高品質なアセテートを使用。厚みのある生地を用いたフロントは堅牢で変形しにくいメリットが。ブリッジも含めてフラットにデザインされた構造はアセテートの美しさを最大化し、掛ける人の目鼻立ちも引き立てる。シンプルを追求することで“独創性”を引き出すことに成功しているのだ。

このようにアイコニックなフレームを提案するジャックデュランは、近年の“太セルブーム”の大本命ブランドに。時代がようやく追いついたようだ。

創業者
ジャック・デュラン

1970年代からヨーロッパのアイウェアのデザインを手掛けていた故・ジャック・デュラン氏が2010年に設立。ボリューム感のあるアセテートフレームによる独自の世界観が人気。