加藤 その後も本当に多くの部署でキーマンとして活躍されてきたとお見受けしますが、しんどかった時期はありましたか？
上野 社長というのは常に突飛なもので「あれがやりたい！」となったとき、誰に託すかが大事なんだろうと思うんですが、38歳のとき、当時の社長に「役員にしてやるから、トラック部門に行け」と言われたんです。そこは行ってみたら畑の違う人たちばかりで「君に何がわかる？」という状況から始まって、全くの赤字部門だったんですけど、全国を飛び回って商談にも首を突っ込んで、人任せではなくトラックのオーナーに向けて会社としても試乗会をやったりしました。ところが、2年くらいで業績も上げて意気揚々と「これからだ！」ってときに、トラック部門の撤退が決定し、逆に幕引きをやらなければならなくなってしまって……。その後、本体である乗用車部門に戻ったら、今度は販売店のネットワーク構築を担当することになったのですが、リーマンショックで不況がやってきて人事部長もやることになって、そこからはとにかく複数の部署を統括する兼務が続きました……。
加藤 私も新しい番組や新しいスタッフさんとやっていくとき、順応するまでにものすごくエネルギーを要するんですが、上野さんはその点はいかがでしたか？
上野 抜擢されても結果を出さなければ必要とされなくなるような例も見てきていたので、最低限要求されていることは達成しようと必死にやることが、信頼に繋がると思ってやっていました。
加藤 そんなアウェイな状況では関係をどう打開されたんですか？
上野 当時「新しい職務に就いたら100日くらいである程度の理解と方向性を示さないとだめだ」というメソッドを本で読んだこともあって、90日はとりあえずおとなしくして周囲をよく見るようにして、残りの10日でプランを詰めて、100日目にそれまでのやり方を全部変える提案をしました。
メルセデスの世界観の中で食事を楽しめる
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ブランド情報発信拠点「Mercedes me Tokyo」（東京・六本木）に併設するカジュアルダイニング。メルセデスの世界観の中、本格的なフレンチ・イタリアンをベースにしたフードやドリンクを楽しめる。金目鯛と和牛フィレ肉のWメインを味わえるクリスマススペシャルディナーコースは1万円（全6品・乾杯シャンパン付き）。
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［MEN’S EX 2021年1・2・3月合併号の記事を再構成］
撮影／前 康輔 スタイリング／後藤仁子 ヘアメイク／陶山恵実 文／岡田有加（81）
