【濱田 岳さんインタビュー】初の父親役で主演をこなした映画『喜劇 愛妻物語』を語る

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あらゆる分野と出会い、新しい知識を得るのは大人にとって必要不可欠。今回は夫婦の姿をコミカルに描いた映画『喜劇 愛妻物語』で主演を務めた俳優の濱田 岳さんが登場。

濱田 岳

濱田 岳 GAKU HAMADA


profile
1988年生まれ、東京都出身。9歳でスカウトされ、1998年にドラマ『ひとりぼっちの君に』でデビュー。2004年『3年B組金八先生』で注目を浴び、2007年には主演映画『アヒルと鴨のコインロッカー』で高崎映画祭最優秀主演男優賞を受賞。以降、数々のドラマや映画に出演。幅広い分野で活躍中。 
ジャケット3万2000円/コノロジカ、シャツ2万9000円/ラッピンノット(以上HEMT PR)

「初の父親役。まだまだチャレンジすることがあると実感しました」

「良い脚本に出逢うってこういうことか!と」

幅広い役どころをこなす演技派にして、その独特な個性で愛される濱田岳さん。このたび主演を務めた映画『喜劇 愛妻物語』が公開される。本作で演じるのは、プライドと自意識は人一倍高いが、売れない脚本家・豪太。そんな豪太に罵声を浴びせながら家計と育児を担う妻・チカを水川あさみさんが演じ、倦怠期夫婦の愛憎渦巻く日常をコミカルに描いている。

「主演と聞けば胸躍るものなんですが、どんな役かと脚本を読んで、『コイツか~』と(笑)。もう、何も胸を張って言えることがないぐらい愚かな役ですから。でも、とにかく台本が面白くて、あっという間に読み終えてしまったんです。まさに足立 紳監督の文才、ここにありという感じで。これが俳優の先輩方がおっしゃる『良い脚本と出逢えた』ということなのかと思えました」

濱田さんがそう語るよう、劇中の豪太の言動はお世辞にも男らしいとは言えず、夫に罵詈雑言を浴びせるチカには、誰もが感情移入してしまうはずだ。

「まずは自分が豪太を好きにならないと、始まらないなと。コイツの良いところをどうにか探そうと愚行の数々を取り除いていけば、その根底には奥さんへの愛があることがわかるんです。それに豪太が愚かであればあるほど面白いし、そんな旦那を支えるチカの愛情が引き立っていく。そこに気が付けたので、愚かなことも安心して演じ切ることができましたね(笑)」

赤裸々な痴話ゲンカを繰り返す夫婦の姿は、どうしようもなく滑稽ながら、人間味に溢れ、どこか愛らしい。そんなふたりの絶妙な掛け合い、そして濱田さんのどこか憎めないキャラクターが、この映画をまさに笑って泣ける“愛妻”物語へと昇華させている。

「9歳から役者を続け、今年で32歳。父親役なんて昔は想像もしていなかったですから、『まだまだ自分にも、チャレンジすることがある』と改めて実感した役でもありました。歳を重ねて、考え方も変われば、見た目の変化も出てくる。それを受け入れていくと、どんどん楽しくなっていくんだろうなって。これからもいろいろなチャレンジの機会がいただけるように、頑張っていきたいですね」


「撮影中、本当の家族であるかのような錯覚を起こす場面もありました」

『喜劇 愛妻物語』
©2020『喜劇 愛妻物語』製作委員会
「水川さんは本当に芸達者で、罵声のような台詞にも愛があるんです」。そんな人情味溢れる夫婦喧嘩も見どころだ。

「スーツを仕立てる。そんな大人の贅沢に憧れます」

普段はもっぱらカジュアルなスタイルだという濱田さん。スーツには、こんな思いが。

「フォーマルな格好をするときの、あの特別感が好きなんです。パリっとしたスーツに袖を通すと、『よし、いくぞ』と気持ちが引き締まります。職業病なんですかね、裃を着たら侍の気分になるように、スイッチが入るのだと思います。もっと年齢を重ねて、いい感じになってきたら、勝負服としてスーツを仕立てるのもいいなって。きっとそうしたものを着ているときは食事に出かけるときも、選ぶ店は赤提灯じゃなくなるはず(笑)。そういった大人の贅沢、遊び方みたいなものに憧れます。これから、楽しみですね」

MOVIE『喜劇 愛妻物語』

MOVIE『喜劇 愛妻物語』

売れない脚本家・豪太(濱田岳)は、妻チカ(水川あさみ)や娘アキ(新津ちせ)と3人暮らし。倦怠期でセックスレスに悩む豪太はチカの機嫌を取ろうとするも、チカは稼ぎのない夫に冷たい。そんなある日、豪太は自らの企画の脚本化のためチカを説得し、家族で香川県に取材旅行へ行くことになるが……。
原作・脚本・監督、足立 紳。9月11日(金)新宿ピカデリー他、全国ロードショー。

※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2020年9月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)

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