先日、英国にて行われた靴磨き世界大会「World championship of shoeshine in London」で見事優勝を果たした”世界一の靴磨き職人”に話を伺った。

靴好きこそ楽しめるプロのサービス

“靴磨きを楽しむ”という新しい文化を作り上げたブリフトアッシュ代表、長谷川裕也氏。サロンのようなお店でドレスアップした職人がサービスをするスタイルは過去に類を見ないものだった。様々な靴磨き指南書や便利なケアグッズが増え、自宅での靴磨きがグッと簡単になった今でも、ブリフトアッシュは連日、顧客の注文で大忙し。その理由とは？

「もちろん、プロならではのクオリティという理由はあります。当店では靴磨きクリームも独自配合のオリジナルですし、靴に合わせた最適な磨きのノウハウにも自負があります。いい靴を買ったから、最高のところで磨いてほしいというお客様は多くいらっしゃいます。それに加えて、靴好きなお客様の中には、靴磨き職人と空間・時間を共有する楽しさを求めていらっしゃる方も多いですね」

「以前、靴磨きは移動途中の”ついで”にするものという考え方が一般的でした。そんな意識を変える”わざわざ靴磨きに行きたくなる店”を作りたかった。それがブリフトアッシュを立ち上げるきっかけだったんです。そして試行錯誤の末、『カウンタースタイル』という靴磨きサービスを考案しました」

「お客様はカウンターに座っていただき、カウンターを挟んだ目の前で職人がお客様の靴を磨いていきます。1時間くらいかけてご自身の靴が磨かれていく様子を眺めながら、『最近注目されている靴は何？』『自宅でこんなケアをしたいけど、どうすればいい？』など、職人と色々な話題を楽しんでいただけます。

単に靴を磨くだけでなく、靴磨きを特別な体験として共有できるところにも、私どもに任せていただく価値があると思います。そうすれば、ご愛用の靴への愛着もいっそう深まると思いますよ。靴好きのお客様こそ、プロに任せることの満足を味わっていただけるはずです」

靴磨き世界大会で見事優勝！

5月に英国で行われた「World championship ofshoeshine in London」に日本人で唯一出場した長谷川裕也さん。結果は、強豪を退け見事優勝。”世界一の靴職人”という称号を手にした。

［MEN’S EX2017年8月号の記事を再構成］
撮影／中西一朗、李 春湖（OWL）、吉岡教雄（ブロニカ）、上野 敦（プルミエジュアン）、久保田彩子　構成・文／POW-DER