ファッションとしてはもちろん、確かな品質も備えた本格眼鏡。鯖江の老舗から世界の有名メゾンまで圧巻の1000本以上の最新フレームを1冊に網羅した『本格眼鏡大全 2024』が発売中。その中身を一部ピックアップしてご紹介する。

AMERICAN OPTICAL（アメリカンオプティカル）

米軍やNASAも採用したアメリカ眼鏡の金字塔

1833年にマサチューセッツ州サウスブリッジにて誕生したアメリカンオプティカルは、現存する世界最古の眼鏡メーカーだ。革新的な視点でモノ作りに挑み、その長い歴史の中で眼鏡デザイン史に残る数々の傑作を生み出してきた。

1874年には世界初の縁なしフレーム、1885年にはテンプルのモダン部分が湾曲したケーブルテンプル、1891年にはアメリカで初の金張り製フレームを開発。また、1958年に開発された「フライトゴーグル58」は、アメリカ軍に採用された実績をもつ。厳格なミルスペック基準をクリアしたアイウェアは高い品質と機能を備え、アポロ11号による月面着陸の際にアームストロング船長と乗組員らが着用したことで、世界に名を知らしめた。同作は現在も「オリジナルパイロット」の名で生産され続けている。

さらに政治家や俳優など時代の顔に愛されてきたことも特筆すべき点だ。ブロウラインが威厳のある表情に導く「サーモント」は、黒人解放運動指導者マルコムXが愛用。彼の力強い表情とともに記憶している人も多いだろう。

現在はブロスジャパンが日本の総代理店としてアイテムを展開。眼鏡の歴史を作ってきた本物のヴィンテージデザインは、今なお我々を魅了してやまない。

時代の顔が愛用

写真は、プライベートでのヨットクルーズで「サラトガ」を掛けているジョン・F・ケネディ大統領。国家行事でもたびたび着用し、その姿はアメリカ国民の憧れの対象となった。