ファッションとしてはもちろん、確かな品質も備えた本格眼鏡。鯖江の老舗から世界の有名メゾンまで圧巻の1000本以上の最新フレームを1冊に網羅した『本格眼鏡大全 2024』が発売中。その中身を一部ピックアップしてご紹介する。

AHLEM（アーレム）

機能優先でシンプルかつ美しいフレンチアイウェア

アーレムはパリで生まれ育ったアーレム・マナイ・プラットがデザインするアイウェアブランド。現地でファッション業界のバイヤーやコンサルトなどを経験し、2014年に自らの名を冠した眼鏡ブランドを立ち上げた。プロトタイプを手にパリのセレクトショップ「コレット」を訪れると店員に気に入られ、その場で買い付けが決まったという。アメリカとフランスの2拠点で活動し、多くの製品がメイド・イン・フランスというのがこだわり。また、モデル名にパリの街や通りの名前をつけているのも特徴である。

ファッション業界で育ったアーレムだが、彼女が手掛けるデザインはトレンドに左右されないのも特徴だ。20世紀初頭の芸術運動「バウハウス」に強く影響を受け、アートを日々の生活に溶け込ませることを意図し、常にシンプルで美しく、機能的なデザインを目指す。そこに彼女のフランス人らしいエスプリと個性が盛り込まれる。そして製造は、フランスの眼鏡産地として有名なオヨナの職人により手作業で丁寧に行われる。さらに現在、チタンモデルなどの一部は日本でも製造されている。

2024年もメタル、アセテートとも機能的かつ個性的な新作が揃った。来年は創業10周年を迎え、一層注目を集めそうだ。

デザイナー
アーレム・マナイ・プラット

L.A.とフランスを拠点に活動するデザイナー。アクネやミュウミュウなどでのアパレル経験を経て眼鏡の世界へ。流行に左右されないシンプルかつ機能的なデザインで人気を博している。