森岡下のジ・ウォームスクラフツ マニュファクチャーのコードバンとかね。この時計をしている人が実際にそういう革小物を使っていたら、相乗効果で“趣味がよい”と思われますよ。

金森一方「メカニカルムーンフェイズ」はとてもドレッシーなイメージ。

森岡これは40代ぐらいでしょうか。月齢表示のギミックも、男としての奥行きを感じさせるのでは。

吉田ツウ好みの古典的機構ですからね。それをモダンなアクセントとして昇華させているのも今作の魅力です。

森岡ネイビー文字盤ゆえに艶っぽさも感じます。あえて、クラシックな濃色スーツ、正統な黒靴、黒鞄というストイックなスタイルに合わせたい。

金森「スケルトン」はこれまた高級感満点の仕上がり。役職クラスの人がサラリと着けていたら素敵でしょうね。

吉田手巻きゆえの透明感の高さにも注目を。ブリッジも限界まで肉抜きし、かつ9時位置側にスカッと空間を作っているため、光がたくさん入り込み、機械の造形美がさらに際立っています。

森岡39㎜の小ぶりなケースもいい。これなら華美にならず、スーツに嫌味なく収まる。それで足元がストレートチップならシックに、逆にマグナーニのようなムラ染めの靴ならぐっと洒脱なムードになるでしょう。

金森今回の3本は、いずれも端正さを崩さず“魅せる”デザインですね。

吉田それがこのブランドの魅力。シンプルな3針でもパワーリザーブ計をつける。そうしたスパイスや魅せるデザインに合わせて、上手く小物を選べば、より上級者の装いになりますね。

森岡そのあたり、今まで普通のスーツを着てきた人が、旬の色柄や形に挑戦したくなる気分ともリンクしているのでは。“ひとつ上の等身大”を目指す人にはまさに絶好の存在と言えますね。