ブランパンの「フィフティ ファゾムス」が今年誕生70周年を迎えた。コレクションの歴史を振り返るとともに、主要モデルを例に取りつつ、そのファッション対応力を改めて検証してみよう。
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1735年にスイス・ヴィルレにて創業したブランパンは、現存する最古の時計メゾン。機械式時計のみを製作してきたことでも知られ、クォーツショックでスイス時計界が大打撃を受けた中でも、パーペチュアルカレンダーやトゥールビヨン、ミニッツリピーターといった超複雑機構搭載モデルを次々と発表し、機械式時計復権に大きく寄与した。1989年には世界で初めて腕時計にフライング トゥールビヨンを搭載している。
「フィフティ ファゾムス」(写真上)はそんなブランパンがフランス海軍の潜水戦闘部隊の作戦行動を支えるため、同部隊を組織したロベール・“ボブ”・マルビエ大尉と1953年に共同開発したミッションウォッチがルーツ。防水性が高いケース、視認性に富む文字盤、潜水中の経過時間を読み取る目盛り付き回転ベゼルといった近代的なダイバーズの基本スタイルはすべてここから始まっており、そのことから多くの時計ファンが元祖モダンダイバーズとして一目置く存在だ。ちなみに1950年から1980年までブランパンCEOを務めたジャン=ジャック・フィスター(写真右)もダイバーであった。大人が着用するに相応しい本格派のダイバーズウォッチが欲しい場合、真っ先に購入候補に挙げるべき来歴と格式を備えたコレクションと言えるだろう。
これからの季節に相応しいライトブラウンのリネン混ジャケットを羽織ったスタイル。ジャケット自体はクラシックだが、ブラックのパンツとインに着たオレンジのリネンシャツでぐっとモダンな雰囲気にまとまっている。麻の清涼感に加え、シャツがオープンカラーということで、ほんのりリゾートやコロニアルのテイストが漂うのもいい。こういう装いには海を感じさせるダイバーズは絶好のチョイス。それが名門ブランパンのフィフティ ファゾムスであれば大人の格も感じさせ、成熟した男の色気漂うスタイルが完成する。
ジャケット9万9000円/ブリッラ ペル イル グスト、シャツ2万8600円/オリアン、パンツ3万6300円/ベルウィッチ、チーフ7920円/シモノ ゴダール(以上ビームス ハウス 丸の内) 眼鏡<スタイリスト私物>
1953年に誕生した、世界初のモダンダイバーズウォッチ「フィフティ ファゾムス」。こちらはそのオリジナルのデザインを忠実に受け継ぐ「フィフティ ファゾムス オートマティック」のケースを、軽量かつ堅牢で、肌に優しいチタン製としたもの。ベゼルにはサファイアガラスをセットし、視認性を高めるとともに見た目のラグジュアリーさも高まっている。搭載するのは5日間パワーリザーブを誇る自社製のCal.1315。
自動巻き。300m防水。径45㎜。チタンケース。シースルーバック。セイルキャンバスストラップ。228万8000円。
モダンダイバーズの始祖であるフィフティ ファゾムスは、もともとスポーティながら独特の気品とエレガンスがあることで人気を博してきた。“バチスカーフ”は、その洗練デザインをより際立たせたコレクションだ。ここでは高貴なレッドゴールドケースに、サンバースト仕上げのブルー文字盤を装着した「フィフティ ファゾムス バチスカーフ フライバッククロノグラフ」を装着している。王道のネイビースーツに華やぎを添えるアクセントとして機能していることがよくわかるだろう。それでいてスーツも時計もブルー基調ゆえ、知的で誠実な雰囲気も損なっていない。ビジネスで非凡なセンスをさりげなく示したいとき、参考にしていただきたい袖口の演出法だ。
スーツ16万5000円/ブリッラ ペル イル グスト、シャツ1万8700円/ビームスF、ネクタイ1万7600円/フランコ バッシ、鞄5万3900円/トフアンドロードストーン(以上ビームス ハウス 丸の内) チーフ<スタイリスト私物>
こちらの「フィフティ ファゾムス バチスカーフ フライバッククロノグラフ」は、チタンケースのグレーとリンクするアンスラサイト文字盤を装着。色合い的には控えめな印象だが、完成されたデザインにより手首でしっかり主張してくれるのがいい。ここでは時計に合わせてジャケットをグレー、ニットポロをブラックとし、全身モノトーンでまとめてみた。ストイックな色使いだからこそ、逆に男の色気がにじみ出るコーディネートだ。
ジャケット9万9000円/ブリッラ ペル イル グスト、ポロシャツ3万4100円/ジョン スメドレー(以上ビームス ハウス 丸の内)
「フィフティ ファゾムス バチスカーフ フライバッククロノグラフ」は、時計界のトレンドカラーであるグリーン文字盤もラインナップしている。グリーンは服と合わせるのが難しいと感じる人も多いが、ややダークトーンのグリーン、そして何よりスポーティエレガントなバチスカーフのデザインなら、ポップになりすぎることなく、安心して大人のコーデに使える。それをよりセンス良く見せたいなら、ご覧のようにブラックの服と合わせるといい。ブラックはグリーンを落ち着いて見せる効果が高く、くつろいだ休日スタイルもシックに仕上がるのだ。
ジャケット5万3900円/ジーニック、Tシャツ1万3200円/ルミノア(以上ビームス ハウス 丸の内)
「フィフティ ファゾムス バチスカーフ」は、「フィフティ ファゾムス」のデビューから3年後の1956年に生まれたコレクションだ。潜水艦バチスカーフの名を冠するものの、マリンスポーツだけでなく、シティーユースも意識しており、ケースはフィフティ ファゾムスより小ぶりで、文字盤やベゼルなどのデザインもシンプルに仕立て直されていた。モダンダイバーズウォッチとして位置づけられる存在だ。
ここで紹介した3 本は、バチスカーフにブランパンが得意とする複数の経過時間を計測できるフライバッククロノグラフを載せたシリーズのもの。搭載する自社製のCal.F385は、垂直クラッチやコラムホイールを備える贅沢なクロノグラフ・ムーブメント。耐磁性・耐久性の高いシリコン製ヒゲゼンマイを装備しているほか、毎秒5ヘルツ(毎時3万600振動)の高振動により高精度を実現しているところも魅力だ。美しく、そしてスペック的にも現代最高峰のクロノグラフの入手を考えているのなら、絶対に間違いない選択だ。
1953年に世界初の近代的ダイバーズウォッチ「フィフティ ファゾムス」を発表したブランパンは、以降ダイバー、探検者、海洋学者、水中写真家など、海を愛する人たちとの絆を深めていく。こうした関係を通じて海洋の探査・保全・保護にも深い関心を持つようになり、やがてパートナーとして数多くの活動を直接支援するようになっていく。
「ブランパン オーシャン コミットメント」はこうしたブランパンの海洋保護活動を集約すべく2014年に始動したもの。海洋保護に関するさまざまな学術プロジェクトに参加するほか、水中撮影や海洋探査を行い、それを出版物やウェブサイトで発表している。ちなみに下の写真はブランパンが創設パートナーを務める「ゴンベッサ・プロジェクト」のもの。希少で謎の多い海洋生物や自然現象について研究を続けるローラン・バレスタ氏と彼のチームの活動を、同ブランドは技術面でも強力にサポートしている。
2023年4月22日(土)、大阪の心斎橋に「ブランパン ブティック 大阪心斎橋」がオープンする。国内最大の売り場面積となる総面積約115平方メートルの店内は、ブランパンが培ってきた288年の伝統、そして「伝統こそ革新」というブランド哲学を表現。「フィフティ ファゾムス」をはじめ、「ヴィルレ」や「エアコマンド」、「レディバード」「メティエダール」といったコレクションを手に取ることができるうえに、ブランパンが長年培ってきた時計作りの技術、職人技、革新的なテクノロジーへの情熱を店内では感じることができる。
ブランパン ブティック 大阪心斎橋
住所:大阪府大阪市中央区南船場3-11-18 郵政福祉心斎橋ビル1F
Tel:06-6281-1735
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撮影=筒井義昭 スタイリング=武内雅英 ヘアメイク=TOYO 文=吉田 巌(十万馬力)
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