ポルシェジャパンのEV戦略が、「かなり本気」な理由

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ポルシェジャパンとABBが次世代急速充電器の共同開発に合意

2019年9月のワールドプレミア、2020年中盤の日本導入を予定しているポルシェ初のフル電動スポーツカー、タイカン。そのデビューに向けて、ポルシェジャパン株式会社はABB株式会社と業務提携を行ない、ポルシェのEV専用となる急速充電器を開発すると発表した。

ポルシェジャパンは、ABB製の急速充電器を全国のポルシェセンター、公共施設への設置し、EV用急速充電ネットワークを構築する。両社は現行の100kw/500V/200AのCHAdeMOを超える、150kW以上の急速充電を可能とする次世代CHAdeMOの展開のため、積極的に協力していく。2020年中盤には最初の充電器が設置される予定だ。

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「ABB社とのパートナーシップにより、世界で最高レベルの急速充電器およびネットワークをお客様へご提供できることを大変嬉しく思います。ポルシェでは、2025年までに販売台数の半分を電気駆動モデル、または部分的に電気駆動のプラグインハイブリッドモデルとするプロジェクトがあり、オーナー様にとって重要な急速充電器のインフラが整備されることは、ポルシェ電動化プロジェクトの大きな前進と確信します。」

今回の提携についてポルシェジャパンの七五三木敏幸社長はこのように話している。現在の日本国内のポルシェ正規販売店は46店舗。このすべてに、最新の急速充電器が備え付けられるとすれば、各店にとっては相当な投資となることは間違いない。

また「公共施設」と敢えて触れられているのも注目である。これがポルシェジャパン自身が投資して、たとえばテスラのスーパーチャージャーのような急速充電ネットワークを構築していくという意味だとすれば、非常に大規模なプロジェクトとなる。

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タイカンについては、2019年3月の時点で全世界で2万人以上の購入希望者リストへの登録があると発表されている。日本では正規受注は開始されていないが、プレミアムEVへの需要はどこもまだ市場を読み切れる段階ではないだけに、投資をいつまでに、どのように回収するのかというビジョンは注目に値する。

テスラに関して言えば、専用の急速充電ネットワークであるスーパーチャージャーの存在が成功に大きく寄与していることは間違いない。よって、この戦略が当たればすでに上陸済みのジャガーI-PACE、そして年内にも発売されるはずのアウディe-tron、メルセデス・ベンツEQCなどに対する大きな、大きなアドバンテージになるはずである。

2020年にはタイカンが日本上陸するだけでなく、この急速充電ネットワークの展開、更にはクロスツーリスモの導入が続くことになる。ポルシェジャパンのEV戦略、興味深く見守りたい。

文/島下泰久 Yasuhisa Shimashita

サステナ主宰
モータージャーナリスト
2017-2018日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

1972年神奈川県生まれ。燃料電池自動車や電気自動車などの先進環境技術、そして自動運転技術を中心に、走行性能、ブランド論までクルマを取り巻くあらゆる事象をカバー。自動車専門、ライフスタイル系などのwebメディアをはじめ、専門誌、一般誌、ファッション誌などの雑誌に精力的に寄稿している。また並行して講演活動、テレビ、ラジオなどへの出演も行なう。
海外モーターショー取材、海外メーカー国際試乗会へも頻繁に参加しており、年間渡航回数は20回を超える。 2011年6月発行の2011年版より、徳大寺有恒氏との共著として「間違いだらけのクルマ選び」の執筆に加わる。2016年版より単独での執筆になり今に至る。
最新刊は「2019年版 間違いだらけのクルマ選び」。
2016年にサステナをオープン。主筆として一般自動車専門誌、webサイトとは違った角度から、未来のクルマと社会を考察中。

サステナ(SUSTAINA)とは?

まっすぐおもう、未来のコト。 モータージャーナリスト島下泰久氏が主宰を務める、「クルマが目指す未来」を主軸に先進環境技術やそれを取り巻く社会の変化など、あらゆる事象を追うウェブメディア。

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