「チームラボ」代表 猪子寿之さんに聞いた!アートを創り出す意義とは――?【加藤綾子/一流思考のヒント】

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猪子 寿之さん

自然を愛でる概念のおかげで、人類は生き残ったと言えるかもしれない
(猪子さん)

加藤 ところで理系の出身で、アートも創り出す猪子さんのような人は、珍しいですよね?

猪子 サイエンスとアートってそんなに変わらないんじゃない?サイエンスというのは、人間とは関係のないところで、複雑な現象から共通の汎用性があるものを「世界とは何か」ってことがわかるように、紐解いてきたわけだよね。一方で人間にとっての世界もまたすごく不思議で、例えばなぜ僕らの祖先がある時点で花を美しいと思ったのかは、謎に包まれているわけ。生殖の対象者を美しいと思うのはわかるんだけどさ。少なくとも人間より以前の生物の段階ではなかった概念だと思うんだよ。言ってることわかる?(笑)

加藤 はい、わかります(笑)。

猪子 つまり、異性への概念から一番遠い花のようなものを人間が美しいとしたのは奇跡的な気がしていて、でも、そのおかげで人という種は、自然界に搾取の対象以外の特別な念を抱き始めた。簡単に言うと自然は美しいとか、やがてはそこに神を感じたりね。いよいよ何言ってるかわかんなくなってきたけど(笑)。

加藤 いや、わかります(笑)。

猪子 だから、人類が鉄を発明したときも、いっぱい作った方が合理的なのに「作りすぎだ」と言い始める人がいて、合理性を超越して自然との調和を保ったり。でも、そういう自然を愛でる概念のおかげでもしかしたら人類は鉄を発明したタイミングで滅びたかもしれないのに、生き残ったとも言える。

加藤 なるほど。

猪子 つまり、花を美しいと思うようなことは理解不能にもかかわらずものすごく大きな出来事であって、アートとは何かというと、人類が自らの創造性によって、時代時代でそういう新しい花を作ること。美の概念を拡張する行為なんだよね。例えばピカソは多様な視点で世界を切り取ることで美を拡張したわけで、それまではヨーロッパの一視点からのアートしか存在しなかったといえる。その延長線上にもしかしたら、奴隷制度や植民地制度もあった。でも、今はピカソのおかげで、少なくともある程度のインテリ層は世界を多様に見ることを良しとしている。

「チームラボプラネッツ TOKYO 」

チームラボプラネッツ TOKYO

チームラボが長年取り組んできたデジタルテクノロジーによる「Body Immersive」のコンセプトのもと、「他者と共に、身体ごと、圧倒的に没入する」を掲げ、2018年7月7日、東京・新豊洲駅前にオープン。超巨大な没入空間の作品から成る。
公式ウェブサイト:planets.teamlab.art/jp/
オフィシャルCM:https://youtu.be/X-CeD6bW6gA
住所:東京都江東区豊洲6-1-16
会期:2018年7月7日~2020年秋 予定
営業時間:10時~25時(平日) 9時~25時(土日祝)
※最終入場24時

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