いわゆる「トップダウン型のビジョン経営」が時代にそぐわない理由とは?

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なぜデータ・戦略だけでは「売れる企画・プロジェクト」が生まれないのか?

「論理に裏打ちされた戦略があってこそ、成功にたどりつける」――これがかつてのビジネスの常識だった。しかし「他者モードの戦略」は、いたるところで機能不全を起こしつつある。その背後で、いま、マーケットに強烈なインパクトを与えているのは、「根拠のない妄想・直感」を見事に手なずけた人たちだ。
そんななか、最新刊『直感と論理をつなぐ思考法――VISION DRIVEN』を著した佐宗邦威氏は、いま何を考えているのか? P&G、ソニーで活躍し、米国デザインスクールで学んだ最注目の「戦略デザイナー」が語る「感性ベースの思考法」の決定版!!

ダイヤモンド・オンライン

「優秀な人」が意思決定したのに、なぜうまくいかない?

いま、ビジネスの世界では、「イシュー・ドリブン(客観的な問題からスタートして、それを解決していくアプローチ)」から「ビジョン・ドリブン(個人的な妄想からスタートして、それをエネルギーに変えていくアプローチ)」へのパラダイムシフトが進んでいる。

その背景には、問題解決型のアプローチが限界を迎えているということがある。

僕がソニーに在籍していた当時、「顧客起点の商品開発プロセス」をつくるという全社のタスクフォースがあった。

顧客ニーズに近いところにいる現場社員がインサイトを集め、商品コンセプトをつくる。それをユーザーテストしてトップに意思決定をしてもらう。その方針に基づいて、現場がオペレーションを回して商品をつくる――そうした一連のフローをつくってしまえば、顧客ニーズと合致したヒット商品が次々と生み出せるのではないか、というわけだ。

結論から言えば、このプロジェクトはあまりうまくいかなかった。

なぜだろうか?

優秀なトップが意思決定を下しても...

何よりもまず、優秀なトップがデータに基づいて開発の意思決定を下しても、市場のニーズはすぐに移り変わってしまう。タイミングが合わなければ、その商品が売れるとも限らない。

また海外では、新たな商品コンセプトはKickstarterなどのクラウドファンディングサイトで、次々と出されるのがあたりまえになりつつある。このスピード感のなかでは、社内で承認を得ているうちに「後追い」になってしまうのだ。

イシュー・ドリブン型が限界を迎えているのは、商品開発の現場だけではない。

マネジメント層が情報を集約してゴールを設定したり、戦略を立案したりしながら、ヒト・モノ・カネを動かしていくというモデル自体が、うまくいかなくなっているのである。

産業革命から現代に至るまでのヒエラルキー型の企業組織は、「科学的管理法の父」と呼ばれる経営学者フレデリック・テイラーの「経営管理」という概念を基礎にしている。

テイラーが重視したのは、生産ゴールを設定し、いかにして誰でもそのゴールを達成できるようにするかということだった。まさに「カイゼン」に典型的に見られるような考え方である。これがさらに拡張された結果が、いわゆる「戦略思考」に見られるモデル、つまり、いかにしてトップに現場の情報を集約し、最適な意思決定を下させるかという考え方である。

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