石原壮一郎「大人の言い訳講座#1」飲みニュケーション哀歌(エレジー)

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大人の言い訳は、相手への誠意であり優しさであり愛です。何かとややこしくてままならない大人の日々ですが、適切な言い訳を繰り出して、自分を守りつつ周囲のストレスをできるだけ少なくしてしまいましょう。

スーツが似合うカラダになる「服筋」のポイント

森 俊憲さん

講師
石原 壮一郎さん

大人の美しさと可能性を追求するコラムニスト。『大人養成講座』でデビュー以来、日本の大人シーンを牽引。最新刊『大人の人間関係』(日本文芸社)。

断わる時、断わられた時、正解のふるまいとは?

きちんと言い訳ができるのは、大人の必須条件。
相手の要望や期待に添えなかったときに言い訳ひとつしないのは、大人にあるまじき手抜きであり甘えです。

「よし、今日は飲みに行くか」

終業時間直後に、上司に誘われました。こういう流れでお酒につきあうことも、しばしばあります。ただ今日は、とくに予定はないものの、何となくかったるくて気が進みません。かといって、正直に「かったるいので行きません」と断わったら、明日から口をきいてくれなくなるでしょう。

「見たい番組があるので」だと、遠回しに「二度と誘わないでほしい」と言っているも同然。シンプルに「ちょっと友達と予定が」でもいいんですけど、いかにも口実くさいし、一抹の寂しさを覚えさせてしまいます。

「じつは今日は、一ヶ月前から気合いを入れてきた合コンがあって。勝負をかけようと思っているので、申し訳ありませんが……」

ここは、このぐらい言いつつ、返す刀で「いい必勝法はないですかね」と相談してしまいましょう。上司は何かもっともらしいアドバイスをすることで、連帯感を覚えつつ激励して送り出す気持ちになってくれます。

自分が既婚者の場合は「じつは妻とケンカしていて、今日は花でも買っていってごきげんをとろうかと……」と言いつつ、やはりアドバイスを求めるのがオススメ。合コン作戦と同様の効果が期待できるでしょう。

さらに「いろいろ聞いていただきたいこともあったんですが」と残念がっておくのも、言い訳に厚みを加える大切な儀式です。


言い訳の極意

誘いを断わっておきながら、連帯感を覚えさせつつむしろ絆を深めてしまう——。
言い訳は時にそんな奇跡を起こしてくれる。




[MEN’S EX 2018年4月号の記事を再構成]
イラスト/千野エー

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