【腕利き職人スーパースター列伝】~vol.3~ シューマイスターの称号を持つ男/前編

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シューマイスター 坂井栄治さん
工房内で昔ながらの道具に囲まれる坂井さん


最高の腕前が認められた

経験を重ね、抜群の腕前が認められるようになると坂井さんは皇室へ納める靴を担当するようになる。昭和60年代当時を振り返り、「とても慎重に作りました」と坂井さん。ほかに、昔気質の職人には珍しく、器用な点が坂井さんの持ち味。柔らかい靴も得意だったことから、ご新婦用の色々な種類の靴を13足まとめて納めたこともあるそうだ。

最上級の注文靴を手掛ける一方で、高度経済成長期には靴に変化が求められるようになってくる。その現場にも坂井さんは居合わせた。大塚製靴では昭和49年にドイツの靴メーカーから技術を導入し、「ボンステップ」というブランドが誕生。このブランドは、足の健康を考えたカジュアルなウォーキングシューズで、全く新しい作り方で製作されていた。 注文靴をこなしながら、ボンステップのためのモデルの開発をこなしていたので苦労は多かったという。

シューマイスター 坂井栄治さん

ショップ内の工房で働くことになった

そのうち、坂井さんの職場環境にも変化が訪れた。オーダーメイドに注目が集まり、職人の高度な技術に関心が集まる時代がやってきていたのだ。

「2002年、3代目社長の時にオーツカM-5のショップを新橋に出店しました。それが昔の靴屋のように店内で靴を作るというものだったのです」。そのタイミングで、工場勤務だった坂井さんは、新橋のショップの中に設けられた工房に異動。お客様の前で実際の底付や修理の様子を披露しながら作る、新しいスタイルの仕事を始めた。いうなれば、オープンキッチンのシェフのようなもの。目の肥えたお客様が訪れる場で、作業を見せるなんて、坂井さんの実力なしにはできないアイデアだったのではないだろうか。



コラム:お仕事の様子と道具を拝見



DATA

シューマニュファクチュアーズ オーツカ

シューマニュファクチュアーズ[オーツカ]
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ ウエストウォーク4F
TEL:03-3497-1872
http://www.otsuka-shoe.com/shop/shop_info.html

>>[後編]はこちら

撮影/久保田彩子 取材・文/川田剛史

コバに糸目の飾りをつける様子

コバに糸目の飾りをつける様子

断面を平コバでキレイに仕上げる

断面を平コバでキレイに仕上げる

道具は電熱で加熱して使用する

道具は電熱で加熱して使用する

左から南京針、出し縫い針、すくい針。

左から南京針、出し縫い針、すくい針。

コンパスの使い方を尋ねたところ、コバからの距離を均等に印づける様子を再現してみせてもらった

コンパスの使い方を尋ねたところ、コバからの距離を均等に印づける様子を再現してみせてもらった

左からハンマー、ラジオペンチ、コンパス、ワニ、くぎ抜き

左からハンマー、ラジオペンチ、コンパス、ワニ、くぎ抜き

ソールとヒールをキレイに仕上げ、飾りを型押しする作業に、これだけの道具が必要とされる。

ソールとヒールをキレイに仕上げ、飾りを型押しする作業に、これだけの道具が必要とされる。

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2018年Nov. VOL.295月号

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