読者諸兄には時計好きの方も多いと思うが、機械式時計の基本構造、ムーブメントの仕組みやメカニズムまで、詳細に理解している方はまだまだ少ないのでは?と想像する。そんな方に向けた、腕時計の仕組みを“世界一わかりやすく”解説した本『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』が誕生。その中から一部をピックアップしてご紹介する。
時計外装のしくみ[回転ベゼル]
建築などでも使われる外装とは、漢字が示すように外側の装い。ムーブメントを保護し、腕にフィットさせる機能を担う。腕時計は装飾品でもあり、外装は見た目を決める重要な要素。単に機能するだけに留まらず、いかに美観を高めるかも考え、ブランド各社はデザインや仕上げに工夫を凝らす。
外装のしくみ
回転ベゼル
ダイヤルを囲むベゼルに目盛りを与えると、特定の針と対応させることで測定機能が追加できる。目盛りをもつ回転ベゼルは、経過時間を測定する。
[回転ベゼルの役割]
回転ベゼルは、主に潜水用のダイバーズウォッチと飛行機の操縦士に向けたパイロットウォッチに備わる。ベゼルの目盛りの単位は分で、分針を0位置に合わせておけば、潜水時間や飛行時間が計測できる。ダイバーズウォッチの場合、潜水中に誤って操作して潜水時間を短く表示することを防ぐため、ロック機構が備わるか、反時計回りにしか回らない逆回転防止ベゼルであることが必須条件。パイロットウォッチには、両方向回転も存在する。