「耐震装置」のしくみを知っているか?【5分で学ぶ機械式時計講座】

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読者諸兄には時計好きの方も多いと思うが、機械式時計の基本構造、ムーブメントの仕組みやメカニズムまで、詳細に理解している方はまだまだ少ないのでは?と想像する。そんな方に向けた、腕時計の仕組みを“世界一わかりやすく”解説した本『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』が誕生。その中から一部をピックアップしてご紹介する。

定番機能のしくみ[耐震装置のしくみ]

先人の英知は、機械式時計にさまざまな機能をもたらしてきた。経過時間が計れるクロノグラフ、時差のある地域の時刻がわかるGMT……なかには天体の動きを表示する極めて複雑なモデルもある。本記事では、ベーシックな3針モデルの多くに備わる、耐震装置に絞って解説する。

耐震装置

定番機能のしくみ

耐震装置のしくみ

腕時計は、懐中時計よりも衝撃を受ける危険性が高い。そこで1930年代からさまざまな耐震装置が考案された。守るのは、機械式時計の心臓部であるテンプだ。


[耐震装置の役割]

モーリス・ラクロアの自社製ムーブメントCal.ML191のテンプの軸受けのアップ
モーリス・ラクロアの自社製ムーブメントCal.ML191のテンプの軸受けのアップ。赤い人工ルビーに被せられたゴールドカラーのバネが、衝撃を逃すキーパーツ。

テンプは、ベーシックなムーブメントの可動パーツの中で最も速く頻繁に動き、かつ重いため、衝撃に弱い。耐震装置は、強い衝撃を受けた際にテンプが壊れないよう、振動を逃す役割を果たす。これまでいくつもの耐震装置が考案されてきたが、取り付けられるのはすべてテンプの軸受け。衝撃がテン真に集中するからだ。また、1950年代に設計のルーツをもつ高級ムーブメントの中には、ガンギ車の軸受けにも耐震装置を用いたものがある。

2024

VOL.341

Spring

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