コウジ エンドウ ボティエの「ビスポーク シューズ」を知っているか

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世界を知る若き匠の凄技によるメイドインジャパンの新基軸
KOJI ENDO BOTTIER

世界で学び、世界へ羽ばたく。そんな新世代の日本人が、いま続々と台頭している。彼らの“凄技”を通して、メイドインジャパンの最新形をつまびらかにしよう。

遠藤光志氏

 Profile 
遠藤光志氏
サルワカ フットウェアカレッジ卒業後、23歳で靴修理職人として開業するも、技術・知識向上のため、ほどなくして渡仏。パリの注文靴職人アントニー・デロス氏のもとで修業し、2012年に自らのブランドを始動させた。


仏の名匠に師事し感性の靴作りと日本の緻密な技が融合

遠藤氏がフランスの靴に惹かれたきっかけは、27歳のとき自身の結婚式をパリで挙げたことだったという。

「当地でコルテの靴を見て、心を奪われました。イギリスの靴よりも優雅さがあり、イタリアの靴ほど色気が強すぎない。そんな独特の佇まいが自分にとってとても魅力的だったんです」

日本における靴職人養成学校の嚆矢・サルワカ フットウェアカレッジに通っていた氏は、フランス靴への愛が高じて、同カレッジを中退し、渡仏。パリの名匠アントニー・デロスに師事する。

「日本とパリの靴作りには、大きな違いがありました。日本では、あらゆる工程で数値やデータを基準にします。ここのステッチは端から何mmの場所に入れる、といった具合です。しかしフランスでは、“自分が最も美しいと感じる場所”にステッチを入れていくんです。つまり感覚的な部分に最も重きを置いているというわけですね。フランス修業では、この感覚的な部分を学ぶことに集中しました」

かくして独立を果たした遠藤氏が今、十八番とするのがノルベジェーゼ縫いによる靴。底周りをグルリと取り囲む存在感満点のステッチが特徴である。本来はかなり武骨さが際立つ製法だが、遠藤氏の作品は力強くもエレガント。絶妙なバランスだ。

「ノルベジェーゼ縫いは“遊び心”として施すのがちょうどいいと思っています。トゥーマッチな印象に見えないよう、アッパーのデザインはシンプルに。シェイプも極端に攻めず、中庸な美しさを意識することで、ノルベジェーゼが適度なアクセントとして効くよう計算しています。ちなみにこのノルベジェーゼは一般的なものと少し異なっていて、ステッチを一直線でなく斜めに入れています。師匠のアントニーが得意としていたので、自分の靴にも取り入れることにしました」

遠藤氏の顧客は、カナダなど海外が中心。つまり世界基準で評価されているのだ。ひと昔前まで、日本職人といえば技術力や品質ばかりが注目されてきた。しかし今は、彼らの感性やデザイン力も世界に誇れる時代に。ジャパニーズ・クラフツマンシップは、新たな次元へと脱皮しつつあるのだ。

2024

VOL.341

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