中身を知ればその複雑さがより分かる! クロノグラフの機械はこんな風に動いていた

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最も身近な複雑時計であり、デザイン性も高く、メカ好きからファッション好きまでを魅了するクロノグラフ。そんなクロノグラフ180本を紹介するバイヤーズガイド『超本格クロノグラフ大全』から、その中身をピックアップしてご紹介。

タイプ別で見ると分かりやすい
クロノグラフメカニズム

クロノグラフには、おもに3つの動力伝達方式と2つの作動方式、2つの組み立て方式がある。それぞれの特徴や構造、長所などについて簡単に解説するので参考にしてほしい。

クロノグラフのメカニズム


動力伝達方式

クロノグラフの動力を伝えるおもな方式には、水平クラッチ2方式と垂直クラッチの計3つがある。それぞれにメリット・デメリットがある。

スイングピニオン方式

 
スイングピニオン方式

水平クラッチの一方式で、普及率No.1の伝達方式。四番車とクロノグラフランナーとの間にあり、上下に小さなカナ車(ピニオン)をもつ回転軸が、中間車の役割を担う。回転軸の下側のカナは常に四番車と噛み合っており、スタートボタンを押すと上で支える受けが動いて回転軸を傾け、クロノグラフランナーと噛み合ってこれが動く仕組みに。回転軸が細いつくりとなるため省スペース化が可能で、トルクロスも少なく、低コストで量産向き。一方で作動時に針飛びやしやすく調整が難しい。

キャリングアーム方式

 
キャリングアーム方式

水平クラッチの一方式で、もっとも古典的な伝達方式。コラムホイールもしくは作動カムと連結するアームにトランスミッションホイールを設置。トランスミッションホイールはドライビングホイールと噛み合い、常に回転している。スタートボタンを押すとアームが動き、クロノグラフランナーと連結することで動力を伝える。また、ストップボタンを押すとアームが逆に動いて連結を切り離す。パーツの動きが大きく、見ための美しさから高級ブランドの多くが採用。一方、トルクロスが多いため精度面では多少劣る。

垂直クラッチ方式

 
垂直クラッチ方式

歯車を垂直に連結・切り離しする方式。自動巻き普及以降に増え、現在は自社製キャリバーの多くが採用する。トランスミッションホイールがなく、ドライビングホイールの上に同軸でクロノグラフランナーを配置。普段はアームがクロノグラフランナーを持ち上げていて、クロノグラフを作動させるとアームが離れてクロノグラフランナーが落下。ドライビングホイールと重なって動き始める。歯車を噛み合わせる水平クラッチとは違い、摩擦面で連結させるためトルクロスが少なく精度が高い。一方でムーブメントに厚みが出る欠点も。

2024

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