ゼニス?  セイコー?  ブライトリング?  最初の自動巻きクロノグラフはどこ?

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最も身近な複雑時計であり、デザイン性も高く、メカ好きからファッション好きまでを魅了するクロノグラフ。そんなクロノグラフ180本を紹介するバイヤーズガイド『超本格クロノグラフ大全』から、その中身をピックアップしてご紹介。

クロノグラフ再考
自動巻きクロノ誰が作った?

世界初の自動巻きクロノグラフは、いったいどこのメーカーが最初に作り上げたのか? ホイヤー、ブライトリング、ゼニス、セイコーらが繰り広げた1969年の開発競争を検証する。

自動巻きクロノは誰が作った?

各々が渾身の技術を投入したクロノの進化に寄与する開発

1969年、奇しくも3つの場所でほぼ同時に現れた自動巻きクロノ。まずはその年の出来事を時系列に紹介しよう。1月、ゼニスが「エル・プリメロ」の試作品を発表。3月、ホイヤーやブライトリングらが合同で「クロノマチックCal.11」を発表。5月になるとセイコーが「1969スピードタイマー」発売。夏、ホイヤーがCal.11搭載作を発売。秋、ゼニスがエル・プリメロ搭載作を発売。

クロノマチックの開発は’66年、ホイヤー社の4代目ジャック・ホイヤーを中心に「プロジェクト99」として始動。ホイヤーはライバル社の社長ウィリー・ブライトリングに参加を呼びかけ、快諾を得る。2社は競合同士だが、マーケットがかぶらず、何より膨大な資金の捻出が課題だったからだ。ベースの自動巻きムーブメントはマイクロローターの名手ビューレン、クロノグラフのユニットは名門デュボア・デプラが手がけ、’68年に試作品が完成。翌年3月、キャリバー名“11”、共通名“クロノマチック”と名付けられた自動巻きクロノがジュネーブとニューヨークで同時発表された。

ゼニスは’62年、3年後の創業100周年に向け開発をスタート。しかし実際の完成にはさらに4年を要した。構想していたのが革新的なハイビートの一体型自動巻きクロノだったからだ。’69年1月に試作品を発表し、4月のバーゼルでエル・プリメロを正式発表。やがてロレックス「デイトナ」などにも搭載され、今も続く名機に成長する。一方、セイコーでも、垂直クラッチ、コラムホイール、マジックレバーを擁す高級一体型のCal.6139を開発。’69年には製造を開始し、他に先駆け5月に発売した。この技術が後のスプリングドライブ開発につながる。

一番を目指し切磋琢磨して作り上げた初の自動巻きクロノ。その開発競争が時計技術の進化に与えた影響は大きい。



ゼニス
[ エル・プリメロ ]

エル・プリメロ

世界初のハイビート&一体型構造
1969年1月に試作品(Cal.3019PHC)が公開され、4月のバーゼルで正式発表された自動巻きクロノCal.エル・プリメロ。画期的な毎時3万6000振動のハイビートと一体型構造を誇った。同年秋に搭載モデルが発売され、他社製品にも搭載。上図は’80年代復活後のエル・プリメロ。



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