松竹の武中雅人さん「私が“KENJIRO SUZUKI”のビスポークスーツの虜になるまで」

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[松竹 代表取締役専務]武中雅人さんが語るビスポーク・ストーリー 私が“KENJIRO SUZUKI”の虜になるまで

オーダースーツ愛好歴25年、ファッション業界人も顔負けの洒落者として知られる武中雅人さんが今、大のご贔屓にしているのがケンジロウ スズキだ。一流エグゼクティブをかくも魅了した理由とは?

「ほかのどことも違うオーラに衝撃を受けた」
――武中さん

 
武中雅人さんが語るビスポーク・ストーリー私が“KENJIRO SUZUKI”の虜になるまで

 Profile 

写真右:松竹 代表取締役専務
武中雅人さん
1957年生まれ。’80年に松竹へ入社し、2021年5月に代表権のある専務取締役に就任。松竹衣裳 会長、新橋演舞場 代表取締役社長も兼任している。

写真左:KENJIRO SUZUKI Paris 代表
鈴木健次郎さん
1976年生まれ。2003年に渡仏し、パリ最高峰のテーラー、フランチェスコ スマルトでアジア人初のチーフカッターに。’12年に独立し、パリ大統領府付近で自身のテーラーショップを営む。




オーダー会場に姿を表すなり「どうも健次郎さん!」と親しげに話しかけ、世間話に興じる武中雅人さん。聞けば連日にわたる株主総会を終えたばかりだとのこと。自他ともに認める服好きだけに、仕事の節目を越えたあとのビスポークは最高の気分転換と話す。

「健次郎さんにはもう5着ほどスーツを仕立てていただいて、そろそろ付き合いも長くなりました。38歳のときに初めて日本のテーラーでビスポークを体験して、以来メゾンブランドも含めて色々なスーツを着てきましたけれど、健次郎さんの服には衝撃を受けた。彼がアイロンを使う様子を見たときから“これはほかと違うな”という予感があって、仕立ててみたら羽根のような着心地に驚きました。フォルムも素晴らしく、特に肩からウエストにかけてのラインに惚れ惚れしましたね。私は松竹衣裳の会長も務めているのですが、そちらの会議ではよく健次郎さんのスーツを着ます。衣裳の会社だけあって皆お洒落ですからね。私も負けないようにと(笑)」

さらに、鈴木さんの提案力にも大いに魅せられたのだという。

「こんな生地はいかがですか、こんなタイも合いますよと提案してくれるのが面白いんです。時には自分のイメージとずれることもありますが、それでこそビスポークだと思う。もちろん押し付けがましいものではなくて、あくまで僕の個性に合わせた提案をしてくれるのがいいですね。かつて歌舞伎の世界では、横山大観や前田青邨といった名画家たちが衣裳を手がけることもありました。しかしそんな泰斗たちの作にもかかわらず、服自体は決して過度な主張をせず、役者を引き立てることを最優先にしている。健次郎さんの服作りやスタイル提案にも、そんな精神を感じるんです。昔は客の好みやワードローブをしっかり把握している凄腕スタッフが多くのお店にいたけれど、今はあまり見なくなってしまった。だから、健次郎さんと洋服の相談ができるのは本当に楽しいんです」

そう言って目を輝かせる武中さんの顔は、エグゼクティブの重責からしばし解き放たれ、童心に帰っているように見えた。

2024

VOL.341

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