【SUIT OF THE YEAR 2021】ユーグレナ 代表取締役社長 出雲 充氏インタビュー

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365日、社会課題解決と向き合う

SUITS OF THE YEAR 2021 ビジネス部門受賞 出雲 充さん ロゴ

ユーグレナ 代表取締役社長
出雲 充

食料問題解決のため栄養豊富な藻の一種ユーグレナ(和名ミドリムシ)に着目し「ユーグレナ」を起業。以来、食品や化粧品など幅広く活用させてきた。2021年6月には世界初の、自社製バイオ燃料で飛行機を飛ばすことに成功。不屈の挑戦心と未来への期待に賞を贈る。

SUITS OF THE YEAR 2021 ビジネス部門受賞 出雲 充さん

出雲 充(いずも・みつる) Mitsuru IZUMO


【profile】
1980年生まれ。2002年、東京大学農学部卒。東京三菱銀行(現三菱UFJ銀行)を経て’05年ユーグレナを設立。’12年東証マザーズ、’14年東証一部上場。’15年第一回日本ベンチャー大賞「内閣総理大臣賞」受賞。



“とにかくやってみる。やってみる人が今、強い!”

生きているミドリムシに休みはないという理由から、起業以来ほぼ休みなしで働く出雲 充さん。そんな彼の仕事スタイルは365日スーツがマスト。食料支援や農業支援を行うバングラデシュを訪れるときもそれを崩さない。

「相手に対する私なりの礼儀です。それと自分の真剣な思いは、やっぱりスーツでなければ伝わらないという考えもあります」

普段は既製品が多いというが今回はオーダースーツを着用。

「フィット感に驚きました。そして当然ながら、見映えもいい。伊藤忠商事の岡藤正広会長から、常々“もっといい服を着るべき”と助言をいただいていましたが、ようやくその意図がわかりましたね(笑)」

起業の原点は、大学1年次にバングラデシュのグラミン銀行でインターンを行った際、栄養失調に苦しむ子どもたちを見たことにある。そこから世界の食料問題解決に貢献したいと考えるようになり、文系の学部から農学部に転部。そこで豊富な栄養素を持つ微細藻類ユーグレナ(和名ミドリムシ)と出会う。

2005年に起業し、多くの人の協力を得て、世界で初めて食用の用途での微細藻類ユーグレナの屋外大量培養に成功した。

「でも最初の3年は資金繰りに苦しみました。500社回っても出資が集まらず、501社目の伊藤忠商事からようやくOKをいただけた。だから岡藤会長には恩義を感じていまして。資金が振り込まれた通帳のコピーをお守りにしているほどです」

資金を得てユーグレナのビジネスは軌道に乗る。食品に続き化粧品事業も立ち上げ、企業の知名度は加速度的に向上。並行して気候変動に向けた取り組みとして、バイオ燃料の研究開発に着手。遂に’21年6月、同社バイオジェット燃料を使用した飛行機が初フライトに成功した。 

「ただあのときのマスコミの反応はけっこう冷たかったんです。バイオ燃料をつくって飛行機を飛ばすと言ってから10年100億かかりましたが労いの言葉はなく、燃料代が高いなど実用化を疑問視する記事が大半。日本はベンチャーに冷たいんですよ。弊社より小さいところはもっと大変な目にあっているのでは。そんなこともあって今回の受賞はありがたいと感じています。

’15年に第一回日本ベンチャー大賞受賞以降、賞の類いは遠慮していたのですが、これからはありがたくいただき、“日本はファーストペンギンにもっと寛容であるべき”と少しでも多く発信できれば嬉しい。失敗を恐れずとにかくやる。そんな人が増えることが日本の未来を明るくすると信じています」

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