ビームス中村さんが’80年代にハマった! 英国シャツ「スティーブン ブラザーズ」

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STEPHENS BROTHERSのシャツ

ビームスのクリエイティブディレクター、中村達也さんが所有する貴重なお宝服の中から、ウンチク満載なアイテムを紹介する人気連載「中村アーカイブ」の秋冬バージョンをご紹介。「ベーシックな服もアップデートされていくので、何十年も着続けられる服は意外と少ない」という中村さんだが、自身のファッション史の中で思い出深く、捨てられずに保管してあるアイテムも結構あるのだとか。そんなお宝服の第31弾は……?

中村アーカイブ細バナー

【中村アーカイブ】 vol.31 / 「スティーブン ブラザーズ」のシャツ

STEPHENS BROTHERSのシャツ

’80年代後半から’90年代前半頃に購入しました。私がSTEPHENS BROTHERS(スティーブン ブラザーズ)のシャツを初めて知ったのがBEAMSに入社した1985年でした。

当時フレンチアイビーにはまっていた私は、渋谷の宮益坂にあったYESTERMORROW(イエスタモロー)というフレンチトラッドのセレクトショップのセールでフランス製のREGIMENTAL(レジメンタル)というブランドのタブカラーのシャツを買いました。

当時自社以外で買ったものに対しての先輩のチェックは厳しく、当然店に戻ると何を買ったのか先輩たちのチェックが始まります。その時に先輩たちに言われたのが、フレンチアイビーだからと言ってフランスのブランドを着ればいいというものではないという厳しい指導。そして、もうすぐスティーブン ブラザーズという英国のシャツブランドのタブカラーが入荷するので買いなおせと言うさらに厳しい指導(?)でした。今の時代だったら完全にパワハラかもしれませんが、当時はそんな指導(?)は日常茶飯事で、良くも悪くもBEAMSのスタッフとしての洋服屋魂をたたき込まれた時代でした。

その1ヶ月後にスティーブン ブラザーズのシャツが入荷し、先輩の言うとおりタブカラーのシャツを買いなおしたのが私とスティーブン ブラザーズとの出会いでした。

その後BEAMS Fのバイヤーになる頃にはスティーブン ブラザーズのシャツがBEAMS Fの主力ブランドとなり、’90年代に入ると英国調のブームに乗ってBEAMSを代表する英国のシャツブランドとしてスタッフや顧客様に大人気のブランドになりました。私がバイイングを始めた頃のスティーブン ブラザーズはエジンバラ公御用達のロイヤルワラントを持ち、その後チャールズ皇太子のロイヤルワラントを授かり、二つのロイヤルワラントを持つシャツブラントとなりました。

当初は日本のインポーターを通してバイイングを行っていましたが、その後ダイレクトでインポートすることになり、当時スティーブン ブラザーズはAUSTIN REED(オースチン リード)グループだったので、ロンドンのリージェントストリートにあったオースチン リードのショールームに行って毎シーズンオーダーしていたのが今となっては懐かしい思い出です。

当時のBEAMSのスタッフや顧客様でスティーブン ブラザーズのシャツを持っていない人はいないと言える程の人気ブランドでしたが、’90年代中頃になるとイタリアのシャツブランドが徐々に注目されるようになり、その後’90年代後半にイタリアのクラシックのブームが起きると、同時期に注目されていた英国のニューテーラーブームにかげりが見えてきたタイミングでスティーブン ブラザーズもブランドの体制が変わり、それを機会に10数年続いた取引も終わりを迎えました。

当時は10枚以上持っていましたが今所有しているのはこの2枚だけ。

おそらくこれからも着ることはないと思いますが、’80年代から’90年代にかけてBEAMSのドレスクロージングを象徴するシャツブランドなので、大切なアーカイブとして残していこうと思っています。

2024

VOL.341

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