加藤綾子さん連載「メルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長/上野金太郎さん」

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多くの個を束ね、組織を成功に導いている一流のトップには、どんな思考があるか? 会社のマネジメントにも役立つ“ヒント”を加藤綾子さんがそっと探り、お届けする。

【加藤綾子 一流思考のヒント】
第33回 メルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長 上野金太郎さん[前編]

加藤綾子さん、上野金太郎さん
加藤さん衣装:ブラウス〈インナー付き〉11万円、スカート17万6000円/以上ファビアナフィリッピ(アオイ) ピアス32万円/カシケイブラウンダイヤモンド(カシケイ) リング8万円/スタージュエリー(スタージュエリー渋谷スクランブルスクエア店) 靴〈スタイリスト私物〉

加藤綾子 Ayako Kato
1985年埼玉生まれ。2008年フジテレビ入社、看板アナウンサーとして活躍。’16年、フリーアナウンサーとなり女優としても活動。現在は報道番組『Live News イット!』(CX)のメインキャスターを務めるほか、『ホンマでっか!? TV』(CX)にレギュラー出演中。
著書に『会話は、とぎれていい―愛される48のヒント』(文響社刊)など。

上野金太郎 Kintaro Ueno
1964年東京生まれ。’87年に早稲田大学社会科学部を卒業後、メルセデス・ベンツ日本に新卒採用1期生として入社。社長室室長、商用車部門取締役、常務取締役、副社長などを経て、2012年12月より現職。著書に『なぜ、メルセデス・ベンツは選ばれるのか?』(サンマーク出版)。

「当たり前のことですが、大切にしているのは“結果”。社員にも『楽しむのはいいけど、結果が残らなければお遊びになる』と伝えています」(上野金太郎さん)

独断専行にならずに意見を聞き、必死に結果を出して信頼を得る

加藤 上野さんは外資系企業では少数派の生え抜きで、しかも大学を出られてメルセデス・ベンツ日本の1期生として社長になられた経歴でいらっしゃいますが、強みになった一つは堪能だと伺った語学が大きいとお感じですか?

上野 船舶関係の会社を経営し仕事で世界中を回っていた父の意向で小学校から中学2年の終わりまで東京のアメリカンスクールに通っていたんですが、6歳で放り込まれた当初は全く英語ができなくて、学校が終わってからは担任の先生に追加レッスンをしてもらい、土日も英語の練習でした。ただ、おっしゃる通り幼少の頃に外国人のクラウドの中にいたので、自分で言うのもおこがましいですけど、「英語の発音にたどたどしさがない」とは言われます。一方で英語は外資系ではあくまでツールであって、日本語の方は昔から下手で、今頃になってやっと英語に追いついたくらいじゃないですか(笑)。

加藤 ご冗談を(笑)。ちなみに就職活動でメルセデス・ベンツを選ばれた理由は?

上野 僕は1987年入社なんですけど、買い手市場で容易に内定をもらえる状況じゃなかった。日本の企業の入社試験も受けたんですけど、なんとなく肌に合わないなと感じたんですよね。メルセデス・ベンツは、面接を受けた会社の隣のビルに入っていて、採用の募集はしていなかったんですけど、飛び込みで受付を訪ねたら、すぐに人事部長が対応してくれて、とんとん拍子で内定が決まりました。もともと自動車雑誌の編集部でアルバイトをしたり、車への関心が高かったんです。

加藤 そこからキャリアをスタートして、社長に至るわけですね。

上野 会社に入ってから20回近くも部署を異動させられて、転職を考える暇がなかったのが本音ですけど、勇気もなかったんでしょうね(苦笑)。次々とやったことがないことをやらされるのでしんどい部分もありましたけど、今となれば逆にそれが財産になりました。入社してすぐ営業部に配属されて地味で泥臭い雑用ばかりを3年、その後広報を3年やって、20代の終わりに1年ちょっと、エクスチェンジプログラムでドイツの本社に行かせてもらったんですけど、ドイツ語も喋れないのに向こうでも配属は広報で、大変な思いをしました(笑)。日本に戻ってからはまた広報をやりながら、いわゆるCRMの部署でクレームに対応する顧客相談室の立ち上げをやったり、そこからコーポレート・ディベロップメントの部署で販売店のデータベースを構築したり……。もうアップダウンクイズみたいな感じですよ(笑)。

2024

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