3シリーズの派生モデルから進化
BMWラインナップでスタンダードに位置づけられる3シリーズをベースとしたスポーツクーペモデル、4シリーズ。先々代までは3シリーズクーペを名乗っていたが、先代で独立したモデルとして4シリーズを襲名。その2世代目モデルが、ベースモデルである3シリーズの導入から1年遅れて日本へと上陸を果たした。
3シリーズクーペの頃はデザインから派生モデルといった印象だったが、この最新4シリーズは、3シリーズとは別モデルといった印象を強く受ける。
まずは誰しもがバンパーボトム近くにまで広げられた縦長かつ大きなキドニーグリルと2灯ヘッドランプによる力強いフェイスに、ここまでやりますか?とばかりに驚かされる。
しかし、スポーツカーらしい表現として外せないヘッドランプからホイールアーチへと続くライン、エレガントなフェンダーフレア、流麗という言葉がぴたりと当てはまるルーフラインとそれらに呼応するかのようなキャラクターラインなど、BMWらしさにまさにボールド(大胆)といわんばかりの表現を品よくバランスさせていることに気付く。
絞り込まれたリアエンドは、フェンダー部の張り出しを強め、そこにL字形状の左右のテールランプを組み合わせたことでヒップたるセクションをエレガントに表現している。
インパネデザインは3シリーズと共用となるが、ソフト素材の質感、スポーティシートの採用や2ドアスタイルによる室内の優雅なしつらえなどによって、特別なモデルに乗っているという刺激を与えてくれる。あちらこちらに「3シリーズと同じ」を見いだしても、違うモデルに乗っている、そう感じ取れる不思議さがちりばめられている。
先進安全装備も3シリーズと同様、3眼式カメラとレーダーからの情報をもとに長距離から広角度まで幅広い危険予測を実現。渋滞時のハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能(ステアリング操作も自動で行うシステム)も装備しており、近いうちに実現されるだろう自動運転レベル3におけるドライビングを「予感させる」体感も可能となっている。
パワーユニットは3シリーズにも採用されている2リッター直4ターボ(420iシリーズ)と、3リッター直6ターボ(M440i xDRIVE)を設定。スポーティな走りを表現するために、シャシーやパワートレインにアルミを多用していることもトピックだ。車体剛性も大幅に強化。これらによりスポーツクーペに期待されるハイレベルのアジリティを実現しながら、ラグジュアリーたる快適性もハイバランスさせている。