「SUVの名車を語る」Vol.06 DEFENDER/ディフェンダー
ジープにしても、ランドクルーザーにしても、そして今回紹介するディフェンダーを生み出したランドローバーにしても、オフローダーを堂々と名乗れるSUVを生産しているブランドは、第2次世界大戦の最中、もしくはその直後に生まれている。
当時、優先されたのは不整地を走り抜くことができる性能であり、それをノウハウとして積み上げ、現在にも通用するモデルを作り上げている。加えて、それぞれのブランドによって仕立て方は、お国柄といった事情も加わって、オリジナリティを極め現在へと伝承されている。乗用車ベースのSUVがもてはやされる昨今において、これらオフローダー人気が別枠といわんばかりに盛り上がっているのも、オリジナリティを大きく崩すことなく、最新モデルへと引き継いでいるからにほかならない。
今回は、そんな1台であるランドローバーの先代ディフェンダーを紹介しよう。完璧なまでにイマドキのSUVへと進化を果たした最新モデルではなく、すべてが旧態依然とした先代モデルだ。
ランドローバーは御存知のとおりイギリスのSUVブランドだが、その第一号車として誕生したのがディフェンダーの祖先であるシリーズⅠだった。
時は第2次世界大戦が終了した1948年、ジープのような機動性を持ちながら、実用性も期待できるオフローダーとして登場。英国製ジープなんて揶揄もされたが、実際にジープをお手本にしながらも、軽量化のためにボディにアルミ素材を積極的に採用するなど、ディフェンダーたる基本は今に引き継がれているところが多くある。
その後、1958年にシリーズⅡ、1972年にシリーズⅢ、そして、マイナーチェンジでランドローバー90/110と名称を変更し、やがてランドローバーファミリーにディスカバリーが加わる(すでにレンジローバーは存在)と、ディフェンダーという車名が与えられた。意外にもディフェンダーという名はまだ30年しか使われていない。