日本一の老舗シューケアメーカー「コロンブス」の全面協力、Begin & MEN’S EX特別編集で好評発売中の書籍『究極の靴磨き』から、その中身をピックアップしてご紹介する。今回のトピックは「塩吹き」。その対処法を覚えておこう。

トラブル対策｜PART 3｜塩吹き編

雨が呼び水となって蓄積された塩が吹く、塩吹き。これを集中的に取り除いてくれるのが液状クリーナーだ。

【使用する道具】※週に1度の靴磨きに加えて必要なもの

防水スプレー

防水スプレーの決定版、『アメダス』。皮革繊維1本1本にフッ素樹脂をコーティング。必ず屋外で使用すること。1500円

液状クリーナー

『ブートブラック ツーフェイスプラスローション』。2500円

【手順のポイント】

［1］馬毛ブラシを掛ける

粉を吹いた状態を塩吹きと言う。塩漬けという原皮段階の加工と、発汗により蓄積された塩が雨などが呼び水になって表面に浮かび上がってくるトラブルである。まずは目に見える塩を除去すべく、馬毛のブラシを掛ける。

［2］液状クリーナーを”患部”へ塗布

クリーナーをクロスに塗布し、塩を吹いた箇所に塗り込もう。通常のクリーナーの作業に比べて、気持ち多めの分量で。指先に力を入れず指の自重だけで磨くという要領は従来通りだが、気持ち毛穴に入れ込むよう意識。

［3］履きジワは最後に

度重なる屈曲が生む履きジワの周辺は当然弱っており、場合によっては銀面が剥がれている。液状クリーナーに限らず、いきなり塗布するのは厳禁。フラットな部分から始め、クロスがほどよく乾いたタイミングで取り掛かる。

［4］光沢が落ちたら次の工程へ

“患部”の光沢が落ちたらクリーナーの作業は完了。光沢が落ちたということはすなわち中に詰まっていた塩が浮かび上がった状態と考えて間違いない。乾燥するのを待とう。革が元に戻ったら次の作業に移る。

≫ ここまで20分

［5］乳化性クリームを塗布する

普段の乳化性クリームの作業を行う。馬毛のブラシで埃を払った後、クリームをクロスで塗り込み、コンディションを整える。指先には力を入れず指の自重だけで磨くように。仕上げに豚毛のブラシを掛けてやれば完了だ。

［6］完成

塩がきれいに取れた。カビと違ってそこまでやっかいなトラブルではないが、ズボラな印象を与える点ではカビを生やした靴と何ら変わらない。履き終わったら陰干しし、雨の日には防水スプレーというルールを徹底しよう。

≫ ここまで30分

さらに深く、詳しく、丁寧に、靴磨きを極めるには・・・？

書籍『究極の靴磨き』好評発売中！

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—INDEX—
ChapterⅠ 頻度に応じた靴磨き
おろしたての靴磨き／履き終わりの靴磨き／週に1度の靴磨き／月に1度の靴磨き／半年に1度の靴磨き
ChapterⅡ 短時間でできる靴磨き
1分で光らせる／5分でツヤを出す／30分で鏡面磨きを完成させる
ChapterⅢ 上級者向けの磨きを極める
立体感を出す磨きを極める／アンティーク磨きを極める
ChapterⅣ トラブル対策
キズ編／カビ編／塩吹き編／クレーター編／シミ編
ChapterⅤ 磨きがいのある デザイン別 究極の靴カタログ10選

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