日本一の老舗シューケアメーカー「コロンブス」の全面協力、Begin & MEN’S EX特別編集で好評発売中の書籍『究極の靴磨き』から、その中身をピックアップしてご紹介する。初回のトピックは「靴磨きのメカニズム」。そもそも靴を磨くと長持ちするのは何故？
立体感を出す磨きを極める［上級者向け］
これまで鏡面磨きは経験と勘が頼りのテクニックだった。しかしそれも今は昔。『ブートブラック』を使えばプロのシューシャイナーも顔負けの輝きが簡単に手に入る。
【使用する道具】※月に1度の靴磨きに加えて必要なもの
下地用クリーム
コツいらずで簡単に下地が作れる『ブートブラック ハイシャインベース』。1000円
光沢用クリーム
水を絡めて磨くだけでツヤが出る『ブートブラック ハイシャインコート』。1200円
水
エタノールを配合することで短時間での鏡面磨きを可能にした鏡面磨き用水『ブートブラック ポリッシュウォーター』。1000円
【手順のポイント】
［1］月1回のケアを完了させる
靴を美しく光らせてあげるためには、プレメンテで汚れを徹底的に取り除いてやらなければならない。まずは「月に1度の靴磨き」における1〜2の行程をしっかりと終わらせておく。
≫ まずはここまで30分
［2］下地用クリームを塗布する
下地作り専用に開発された、この下地用クリームは、毛穴の状態に関係なくフラットな表面を作ってくれる。従来の鏡面磨きは自分の感覚だけが頼りだが、このクリームにはコツがいらない。塗布後、およそ1〜2分乾かす。
［3］水を絡めて下地を作る
水を絡めて下地用クリームで磨く。気持ち毛穴に入れ込むよう意識しつつ、指先に力を入れず指の自重だけで、大きな弧を描くように。使用するクロスはネル生地がいい。水を弾いてくれるので付けすぎる心配がない。
［4］下地作りが完成
表面は曇ったままで一瞬不安になるが、気にする必要はない。曇るということは毛穴にワックスが入った証拠。その曇りを取り、本格的なツヤを生み出していくのは光沢用クリームの仕事である。
≫ ここまで40分
［5］光沢用クリームを塗る
いよいよ磨きの作業に入る。水を1滴ずつ垂らし、光沢用クリームで爪先と踵、そして甲の立ち上がりの順に磨いていこう。下地用クリームを落とさないように、通常よりも、繊細に磨くことを意識したい。
［6］クリームを均す
磨いていて指に引っ掛かりを感じるようであればクリームが表面に残っている証拠だ。再度水を絡めよう。引っ掛かる感覚がわからない場合は、直に革に触れてみても構わない。余分なクリームがあればベタつき曇るはずだ。
［7］薄塗りが完成
磨く指に引っ掛かりがなくなり、指で触れても曇らなければクリームがすり切り一杯で毛穴に埋まった状態。薄塗りと呼ばれる鏡面仕上げで、革のキメを生かした光沢はみずみずしい。ただ、均一に薄く仕上げるのは少々難しい。
≫ ここまで60分
あえてここで終わらせるのも通好み
［8］さらに磨けば
クロスを滑らせても引っ掛かりのない現在の状態は、塗り込んだクリームで光らせることのできる限界値にある、ということになる。さらに光らせたいのであれば5〜6の作業を繰り返せばいい。
［9］グラデーションを付ける
爪先から甲の立ち上がり、踵に掛けて磨いて行こう。ポイントは光沢に流れを生む、前後をつなぐ甲の立ち上がりである。油性クリームは革の通気を阻害するが、甲の立ち上がりであればそこまで神経質になる必要はない。
［10］完成
≫ ここまで90分
ヒールもピカピカ
磨き上げた踵は後ろ姿にツヤをもたらす。フォーマルなシーンにおいては紳士に欠かせないディテールであり、エチケットである。踵をしっかりケアすることも上級者に通じる一歩となる。
顔が映り込むほど
塗り重ねた爪先がこちら。厚みを持たせた仕上がりはエナメルと見紛う光沢を放つ。礼装で出席するようなシーンに最適である。
［ここで差をつける］流れるような光沢
従来、鏡面で仕上げる部位は、芯材が入っていて、もともと通気できない爪先と踵に限定されていた。しかしそれでは光沢が分断されてしまいメリハリが付きすぎる。ご覧のように、甲の立ち上がりを磨くことで流れるような光沢が生まれる。
さらに深く、詳しく、丁寧に、靴磨きを極めるには・・・？
書籍『究極の靴磨き』好評発売中！
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—INDEX—
ChapterⅠ 頻度に応じた靴磨き
おろしたての靴磨き／履き終わりの靴磨き／週に1度の靴磨き／月に1度の靴磨き／半年に1度の靴磨き
ChapterⅡ 短時間でできる靴磨き
1分で光らせる／5分でツヤを出す／30分で鏡面磨きを完成させる
ChapterⅢ 上級者向けの磨きを極める
立体感を出す磨きを極める／アンティーク磨きを極める
ChapterⅣ トラブル対策
キズ編／カビ編／塩吹き編／クレーター編／シミ編
ChapterⅤ 磨きがいのある デザイン別 究極の靴カタログ10選
世界文化社刊 1300円＋税 >> 購入
