40歳を過ぎると顕著に現れる”性”の悩み。その原因は身近な習慣であったりストレスであったり。今回は人間のエネルギーの源である”食”との関連について教えていただいた。
動脈硬化はまずEDにくる？
教えてくれる人
東邦大学医療センター
大森病院
永尾光一先生
昭和大学で形成外科学を8年間専攻、その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し両方の診療科部長を経験。得意な分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域（主に陰茎・陰嚢）の形成外科的手術。現在、東邦大学医学部教授（泌尿器科学講座）。日本メンズヘルス医学会の評議員も務める。
その暴飲暴食が精力減退を招いている！
会食、飲酒、不規則な食生活をおくる多忙なビジネスマンも多いことだろう。実は米国の医療従事者を対象とした研究によると、肥満でないグループに比べ、重度の肥満グループは1・7倍にED発症率が悪化するというデータがある。
「この結果から分かるように高カロリー、高脂質の食事は良くないことになります。また、お酒も飲みすぎたときは勃起しにくくなります。毎日飲酒すると肝機能が悪化しEDになる可能性がありますので休肝日は必要です」。（永尾先生）
不規則な食生活が招く、糖尿病や肥満といった生活習慣病がなぜ、性機能障害と密接な関係にあるのか。それには、血管が大いに関係しているという。
「糖尿病や肥満は、血管の動脈硬化の原因となります。血管障害は細い血管から始まりますので動脈硬化の初期の症状にEDがあります。中高年で動脈硬化性のEDが発症してから、3年後に狭心症や心筋梗塞が発症するという報告もありますので、中高年でEDを起こしたら循環器内科で心血管機能の検査をお勧めします」（永尾先生）
とはいえ、すぐには食習慣を改善できない方もいるだろう。そこで、お勧めなのが抗酸化作用のあるビタミン剤やサプリメント。また、勃起を起こす化学物質であるシトルリンや血流を改善するレスベラトロールを含むものも良い。ただし、海外からの輸入物には危険物質が含まれていることもあり、永尾先生が推奨するのは国内産だ。
