パリの敏腕テーラー・鈴木健次郎さん来日! 「空気を纏うような着心地」のスーツは、どうやって作られる?

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今はオーダー1年待ち! 世界各国から絶大な人気を誇る
敏腕テーラー、鈴木健次郎さんが来日!

「KENJIRO SUZUKI」(ケンジロウ スズキ)——服好き、ビスポーク好きの方ならモチロンご存じであろう、今、パリで大人気の日本人テーラー、鈴木健次郎さんのブランドだ。このたび2月22日(金)〜2月26日(火)までの5日間、銀座の和光にてビスポーク受注会を行うために来日した鈴木さんが、ファッションディレクターの森岡 弘さんとともに、スペシャルなトークショーを開催。そこにお邪魔して、フランスのビスポークスーツの特徴や華麗なるアイロンワークのコツなどをお伺いした。

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鈴木さんは2003年に渡仏、最初は名門テーラーなどで修行を積みながら15年以上奥様とともにテーラー業を営み、6年前にご自身の店を立ち上げ独立された。その腕前は評判を呼び、今では世界各国からオーダーが殺到。フランス人も含め7名のスタッフを抱え、オーダーから納期まで1年待ちという忙しさだという。和光でも年に3回受注会を行っているそうだが、お客様からよくあるのは、「ケンジロウ スズキって、一体どんなスーツなの?」という質問。それに対して和光のバイヤーさんはいつも、「空気を纏うようなスーツです」と答えるそうだ。バイヤーさんご自身もケンジロウさんのスーツを何度も仕立てた後、その着心地の虜になったというが、その心地よさを一言で表現すれば「空気を纏うような着心地」。すなわち着ている感じがしないほどに軽くて心地よい、ということなのだと思う。そんな魅惑の着心地が生まれる作りの秘密や、日本とフランスのスーツの捉え方の違いなどを、鈴木さんと森岡さんでクロストーク!

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「フィッシュマウス」という名の通り、魚の口が開いたようなラペルの形は、フランスのスーツらしい特徴。フィッシュマウスに対し、グッと下がったゴージの傾斜もインパクト大。襟元の存在感が出る。

「フィッシュマウス」という名の通り、魚の口が開いたようなラペルの形は、フランスのスーツらしい特徴。フィッシュマウスに対し、グッと下がったゴージの傾斜もインパクト大。襟元の存在感が出る。

後ろ姿も特徴的。サイドベンツがかなり深く取られていて……

後ろ姿も特徴的。サイドベンツがかなり深く取られていて……

ベンツをめくってみると、後ろの生地にはしっかりと折り目をつけてある。これによってベンツがよれたりせず、すっきりと美しい後ろ姿が完成。表面の生地はかなりクラシックでありながら、普段は見えない部分の裏地に遊びを入れる提案も鈴木さん流。

ベンツをめくってみると、後ろの生地にはしっかりと折り目をつけてある。これによってベンツがよれたりせず、すっきりと美しい後ろ姿が完成。表面の生地はかなりクラシックでありながら、普段は見えない部分の裏地に遊びを入れる提案も鈴木さん流。

チェンジポケットなども位置が高くフラップも太めでインパクトがある。

チェンジポケットなども位置が高くフラップも太めでインパクトがある。

縫う前に、1本分のパンツ生地に縫う前にアイロンをかける作業はおよそ50分もかかる。

縫う前に、1本分のパンツ生地に縫う前にアイロンをかける作業はおよそ50分もかかる。

全身の力を込めて、足の張り出している部分は立体的になるように生地を伸ばしていく。

全身の力を込めて、足の張り出している部分は立体的になるように生地を伸ばしていく。

伸ばしたあとに側面から見ると、アイロンで伸ばした部分は、生地が平面でなく立体的になったのがよく分かる。

伸ばしたあとに側面から見ると、アイロンで伸ばした部分は、生地が平面でなく立体的になったのがよく分かる。

さらに部位によっていろんな方向に伸ばしながらアイロンをあてていく。

さらに部位によっていろんな方向に伸ばしながらアイロンをあてていく。

腿のあたりもかなり立体的な波うちが出来る。

腿のあたりもかなり立体的な波うちが出来る。

時々水を含ませながら、、、

時々水を含ませながら、、、

湾曲が強い部分はかなりグイッとプレス。

湾曲が強い部分はかなりグイッとプレス。

伸ばした部分を作る一方で、、、

伸ばした部分を作る一方で、、、

縮める部分も作る。これにより身体にフィットしていく生地の形が出来上がる。

縮める部分も作る。これにより身体にフィットしていく生地の形が出来上がる。

長時間かけてアイロンしていくと、平らだった布にかなり複雑な立体が出来る。

長時間かけてアイロンしていくと、平らだった布にかなり複雑な立体が出来る。

横からみても、かなりの盛り上がり。

横からみても、かなりの盛り上がり。

膝から上、お尻の部分にかけてはかなりの湾曲があるので、、、

膝から上、お尻の部分にかけてはかなりの湾曲があるので、、、

ストライプのラインも、アイロンで伸ばした後はかなりカーブしているのが分かる。

ストライプのラインも、アイロンで伸ばした後はかなりカーブしているのが分かる。

右がアイロン前の平面的なストライプ柄、左はアイロンをかけて立体化させた後のストライプ柄。かなりラインも変わって身体の線に沿った形になったことが分かる。生地を縫う前の段階でこうした手間をかけることにより、身体にぴったりフィットした着心地のスーツを作ることが出来る。

右がアイロン前の平面的なストライプ柄、左はアイロンをかけて立体化させた後のストライプ柄。かなりラインも変わって身体の線に沿った形になったことが分かる。生地を縫う前の段階でこうした手間をかけることにより、身体にぴったりフィットした着心地のスーツを作ることが出来る。

英国調のフランネル系から艶感のあるイタリア系の生地まで多様に揃う。

英国調のフランネル系から艶感のあるイタリア系の生地まで多様に揃う。

「どのようにスーツを着たいか」といったTPOを相談しながら、生地選びから鈴木さんに委ねるのもありだ。

「どのようにスーツを着たいか」といったTPOを相談しながら、生地選びから鈴木さんに委ねるのもありだ。

和光のスタッフの方も、鈴木さんのスーツにひとめぼれ。ネイビーのクラシックなスーツだが、これぞ世界のどこに着て行っても恥ずかしくない佇まい。

和光のスタッフの方も、鈴木さんのスーツにひとめぼれ。ネイビーのクラシックなスーツだが、これぞ世界のどこに着て行っても恥ずかしくない佇まい。

表面はクラシックながら、裏地でかなり遊びを入れるのもビスポークスーツの醍醐味。

表面はクラシックながら、裏地でかなり遊びを入れるのもビスポークスーツの醍醐味。

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