【加藤綾子/一流思考のヒント】主客対等の考えから生まれた「星のや」という日本旅館

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第2回「星野リゾート」 代表 星野佳路さん[前編]

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加藤綾子さん、星野佳路さん

Profile
加藤綾子 Ayako Kato
1985年生まれ。2008年フジテレビ入社、看板アナウンサーとして活躍。2016年よりフリーアナウンサーとなり、さらに活躍の場を広げている。著書に『あさえがお』(小学館)。

星野佳路 Yoshiharu Hoshino
1960年生まれ。長野県軽井沢の日本旅館に生まれ、慶應義塾大学経済学部卒業後、アメリカのコーネル大学ホテル経営大学院修士課程へ。1991年星野リゾート代表に就任。

「トップも中間管理職も立場を気にせず、普段からフラットな人間関係をつくっておかないと、下からのアイデアや企画は出てこない」(星野さん)

フラットな組織作りのもと世界の都市に日本旅館を

加藤「星のや東京」には初めて来させていただきましたが、一階の入り口で靴を脱ぐスタイルに、まず驚きました。

星野西洋のホテルは自分の部屋だけがプライベートで、一歩廊下に出るとパブリックですが、日本の旅館は靴を脱いで入るので、全体がセミプライベートな空間になります。しかも昔は部屋に鍵もかかっていなくて、仲居さんも中に入ることができました。ちなみに「星のや東京」では、各フロアに"お茶の間ラウンジ"というスペースがあって、部屋から裸足で出てきてそこに行くと、スタッフがお茶やコーヒーやお菓子などをもてなしてくれます。その階の全ての部屋を貸しきれば、1フロアが完全にプライベートなスペースになる。ここは14フロアあるので、14の旅館を縦に積んだ形ですね。

加藤都会のホテルで日本旅館らしさを打ち出そうと思われたきっかけは、何だったんでしょうか?

星野日本旅館に生まれ育って、親の後を継いで、他にもさまざまな温泉旅館やリゾートの再生などをやっていくうちに「日本旅館と西洋ホテルの違いは何だろう」と考えるようになりました。一方で東京の大学を出てシカゴの大学院でホテルについて勉強していた1980年代後半は、日本の名門ホテルが世界でチェーン展開を図ろうと、続々と海外に進出した時期でもありました。でも、結局は撤退したところが多かった。

加藤西洋の真似をしてしまったからでしょうか?

星野その通りです。大学院時代の仲間にも「素晴らしい文化を持った日本が、なぜ西洋のホテルの真似をやってるんだ」「日本人はアメリカに憧れているんじゃないか」などと批判されたものですが、反論できなかった。そこからは、彼らに論破されないビジネスを重視するようになりました。私たちが世界に行くとしたら、"批判を受けなくていいパターン"に持ち込まないといけない、ということに気づいたのです。

加藤その答えが日本旅館。

星野はい。ちなみに、西洋のサービスはサーバントがマスターのニーズに応える上下関係がベースです。でも、日本の場合は茶の湯の文化にも然りで、主客対等。顧客とおもてなしをする側に上下関係はありません。だから私たちもニーズに応えるのではなく、例えば部屋にテレビを置かないなどのこだわりを伝えようとしてきましたし、海外の友人に「それが日本のおもてなしで、伝えたい文化のない国では成立しないんだ」と説明すると、反論は出ません。

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