最近話題の”オプ・アート”って何のこと?【ビジネス”ART”会話#2】

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近頃、話題の「アート」。そこでの注目の用語を通して自分の知識を、そしてビジネスでの会話を広げてみては?

ブリジット・ライリー《朝の歌》1975年

ブリジット・ライリーは点描画で著名なスーラの模写から始め、どの色の隣にどの色を配置するかといった修練を重ねて、自分の抽象絵画の方法を確立していった。
《朝の歌》1975年 アクリル、カンヴァス 211 x 272cm DIC 川村記念美術館

“オプ・アート”

オプ・アート・レジェンドの”ゆらぎ”を感じ、一歩先へ

「オプ」というサイケデリックなドット模様や、ジオメトリックなパターンを使ったファッションが1960年代に流行ったことをご存じの方もいるだろう。それは「オプ・アート」というジャンルに由来する。ブリジット・ライリーはその先駆者として評価され、今なお活動を続けるイギリスの女性作家だ。

キャンバスいっぱいに描かれた、うねるような波形のストライプパターンを凝視すると、頭がぐらんぐらんとしてきて平衡感覚を失ってしまう。とはいえ、トリック・アートのようなだまし絵的感覚ではない。その揺れの先にあるものを感じとってみると、平面に描かれたはずのカラフルな色のパターンが壁からスッと離れて宙に浮かび、次第にこちらへと向かってきて、実に挑発的。ライリーの作品は、あなたの”動くはずのない絵画”という固定観念をゆるがすのだ。

駆け足で過ぎていく毎日。「これでいいのだろうか?」と、立ちオプ・アート・レジェンドの”ゆらぎ”を感じ、一歩先へ止まることも忘れてしまう。ライリーはそんな固くなった心と脳を弛緩させるのが”ゆらぎ”であり、その”思考のさまよい”こそが新たな展開を生むことを、アートの力で伝えようとしている。

新たなステージへの挑戦は”ゆらぎ”から始まる—ライリーの絵を前に、全ての感覚を解放してみよう。


先達のお手本に習うだけでなく、己の手法を発見するまでトライ&エラーを繰り返す

ブリジット・ライリー《ここから》1994 年
《ここから》1994年
油彩、リネン 156.2 x227.3cm 個人蔵

ルネサンス以降の巨匠たちの研究から始まり、ゆらぎの表現には、理論やパソコンなどは用いず、手と目によるトライ&エラーの繰り返しで制作される。

自分の心にゆれ浮かぶことを受け入れることで、もっと柔軟に感性を更新しよう

ブリジット・ライリー《正方形の動き》1961年
《正方形の動き》1961年
テンペラ、板 123.2x 121.3cm アーツ・カウンシル、ロンドン

具体的な人物や風景を描かずに、線や図形のパターンを繰り返したミニマルな絵画だからこそ無限の解釈が生まれる。まずは目の前にあるものを感じよう。

命にも限りがあるように、永遠ではないからこそカウントできない価値がある

ブリジット・ライリー《ラジャスタン》2012年
《ラジャスタン》2012年
鉛筆、アクリル、壁 228.6 x 426.7cm 個人蔵

美術館の展示室の壁に直接描かれる巨大な作品は、展覧会が始まる直前に完成し、会期が終了するとともに姿を消す絵画だ。ゆらぎは人間の脳のなかに永久に残る。

「ゆらぎ ブリジット・ライリーの絵画」

会期:4月14日(土)〜 8月26日(日)
会場:DIC 川村記念美術館(千葉県佐倉市坂戸 631)
開館時間:9:30-17:00(入館は 16:30 まで)
休館日:月曜(4/30、7/16は開館)、5/1(火)、7/17(火)
料金:一般 1300円 ほか
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)



[MEN’S EX2018年5月号の記事を再構成]
All works c Bridget Riley 2018,all rights reserved.Courtesy David Zwirner,New York/London.

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