鑑賞するだけが音楽の楽しみではない。楽器を手に演奏しなければ味わえない喜びもある。本業とは別の顔でステージに立つ現役のプレイヤーに話を聞いた。
PROFILE
シップス 代表取締役 副社長
原 裕章さん
音楽好きの兄の影響で中学生の時にギターを、高校生の時にベースギターを手にする。現在は社内バンドに所属。
「リズムとリズムが交差して生まれる”グルーヴ感”
これを味わうためにバンドを続けています」
社内バンドでベースギターを担当している原 裕章さん。じつを言うと音楽は演奏するより聴く方が好き。その上、練習嫌いのせいもあって腕前は昔からあまり上達していないと笑う。もっとも、本番前の練習やライブ活動には誰よりも精力的に取り組んでいるようだ。
実際、年間でステージに立つ機会は決して少なくない。毎年12月に開催されるショップ対抗クリスマスライブに至っては、28年も続いている。ここまで原さんを魅了するライブの醍醐味とは何か？
「僕らのような下手なバンドでも一緒に演奏していると、稀にとても気持ちよくなる瞬間がある。リズムが同調して声や楽器が交じり合う瞬間”グルーヴ”が生まれる。これを味わいたいがために続けているのだと思います」
忍耐、緊張、歓喜。人前で演奏するからこそ味わえる感情。そのすべてが人生を豊かなものにする。
そんな大原さんにはひとつ決め事がある。愛好家としてでなく、演奏家として依頼をしてくれるステージでしか演奏しない。その一線を守ることが、自身の演奏レベルを下げないためのこだわりだという。ストイックな姿勢である。
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［MEN’S EX 2018年2月号の記事を再構成］
撮影／竹内一将、若林武志、村上 健 構成･文／甘利美緒 文／礒村真介、星野勘太郎、安岡将文 取材協力／小野島 大
