今年も、バーゼルワールドへ!【時計王・松山 猛のBASEL2018】

NULL
Facebook
Twitter
友だち追加
松山猛

バーゼル取材 DAY 1



スイス—フランス国境の定宿へ

羽田発北京経由というこれまで乗ったことがないルートの、中国のエアに乗ってチューリッヒに無事到着。そしてチューリッヒ空港駅から、列車インターシティに乗って最終目的地バーゼルを目指す。なかなかの長旅ではあるけれど、北京からのフライトでは結構眠れたので、疲れはそれほどでもない。

バーゼル駅からはタクシーでスイス、フランスの国境を越え、いつも定宿にしているアパートメントホテル「アダージョ」のあるサン・ルイの町へ。

国境を越えると言ってもスイス側から200メートルも行かない処に、このホテルはあるから至極便利なのだ。まだ朝早くでチェックインできないから宿に荷物を預け、バーゼルワールド会場のあるメッセに向かう。今度は国境のところに終点があるトラムに乗って出かけるのだ。

トラムの一週間チケットを、クレジットカードを使いチケットマシーンで入手するのだが、これが結構面倒な手順を踏む必要がある。世の中どんどんキャッシュレス化が進んでいて、オールドボーイになかなか大変な時代となった。

さてトラム11番でラットハウス=市役所前に向かい、そこで別のトラムに乗り換えてメッセに向かうのだが、もう何十年もこのバーゼルのトラムを利用しているから、まるで自分の街のように乗りこなせる。そしてバーゼルのトラムは快適で楽しいのだ。

ラットハウスのある旧市街から三人の王様をシンボルとする”トロア・ロア”ホテルの横を通り、ライン川にかかる橋を越えてメッセに向かう。すると橋の左右にバーゼルワールドの旗や、バーゼル市の旗が風を受けてたなびき、春の見本市シーズンの訪れを喜んでいるかのようだ。



誰よりも働き者の経営者、ジャン-クロード・ビバーさん

バーゼルの『春の市』の歴史は古く、1500年代にはもうすでに近隣のフランスやドイツ各地からの産品がもたらされ、スイスの品物などとともに売り買いされていたらしい。現在のような展示会となってから去年がちょうど100周年なのだった。

メッセに到着すると、まずはプレスパスの受け取りをする。これはインターネットを通じて事前申請してあるのでスムースに事は運ぶ。次にロッカーの確保をするのだが、プレスルームのロッカーの数は少なく、なんと僕が手に入れたのはラッキーなことに最後の一個の鍵だった。



そしていよいよバーゼルワールド会場に向かう。一号館を入ったところはLVMHグループのエリアで、左側にブルガリ、そして右側にタグ・ホイヤーのブースがあり、その奥にウブロとゼニスのブースが向い合わせになっている。

ふとウブロのブースのところにジャン-クロード・ビバーさんの姿を見つけ、挨拶を交わしたが、この働き者の経営者は誰よりも早く会場入りして、フェアの準備に余念がないようだった。 するとしばらくして音楽が流れ、ウブロのスタッフがブースの前で、フェアの成功を期待するダンスをはじめ、その中にもビバーさんの姿があったのだった。

Profile
松山 猛 Takeshi Matsuyama
1946年京都生まれ。作家、作詞家、編集者。MEN’S EX本誌創刊以前の1980年代からスイス機械式時計のもの作りに注目し、取材、評論を続ける。バーゼル101年の歴史の3割を実際に取材してきたジャーナリストはそうはいない。

松山猛


撮影/岸田克法 文/松山 猛

2024

VOL.341

Spring

  1. 1
LINE
SmartNews
ビジネスの装いルール完全BOOK
星のや
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE
pagetop